2024.06.10 更新
- アイスコーヒーに氷を入れて冷やせばいいの?
- 氷の上に熱いコーヒーを注ぐと薄くなるのですが—
- アイスコーヒーの作り方を教えて
冷やし方は急冷ともいわれ、氷に触れさせる冷やし方をすれば『水っぽく、薄い味』の失敗アイスコーヒーになります。
本稿では、アイスコーヒーの作り方と冷やし方について、1999年からアイスコーヒー作りに励む店主の実践方法を解説します。
この記事を参考にすれば、カフェがやらない冷やし方がわかるので、あなたは冷やし方で悩まなくなります。
先に結論を述べます
冷やし方は、アイスコーヒーが入った容器の周りを氷で囲み急冷してください。アイスコーヒーは、ホットコーヒーと同じ淹れ方でいいです。
アイスコーヒーを作るコツは『STEP11の淹れ方で味の8割が決まる』と覚えておけばOK!!
今後、美味しいアイスコーヒーを飲みたいと思っているならば、お湯の注ぎ方と冷やし方を覚えてくださいね。
目次
カフェがやらない冷やし方
ここでは、アイスコーヒーを冷やす方法を解説します。氷を使って冷やす方法なので、9分もあれば冷たいアイスコーヒーが飲めますよ。
アイスコーヒーの量により冷やす時間が変わります。
準備するもの3つ
- 茶こし
- 調理用ステンレスボール
- 氷もしくは、凍らせたペットボトル
茶こしは『二重茶こし』を使ってください。微粉が取り除けるからです。
本稿では、アイスコーヒーを冷やす量は、120~130cc で解説しています。氷の量は、製氷皿1つ分 用意してください。
氷を作るのが大変でしたら、凍らせたペットボトルでもいいですよ。
ペットボトルは、0.25ℓ~1ℓ~2ℓなどさまざまな物が販売されています。使い勝手のよいペットボトルを凍らせてください。
カフェがやらない
アイスコーヒーを急冷する方法
コーヒー液を容器へ移す 抽出が終わったアイスコーヒー液は、伝導率の高い『ステンレス』などの容器へ移します。 容器へ移し替えれば、粗熱が取れて短時間でアイスコーヒーを冷やせます。 コーヒーを移すときは『二重茶こし』で濾せば、微粉が取り除けます。
アイスコーヒーの量により使い分けしています。 いずれの容器も伝導率が高いです。 | |
3分掛けて粗熱を取る アイスコーヒーは、容器へ移したら水を張った調理用ステンレスボールに3分漬けてください。 アイスコーヒーの粗熱を取りたいので、氷は入れません。 水の分量は、たっぷり入れてください。短時間で粗熱が取れるからです。 | |
水を交換する 3分かけてアイスコーヒーの粗熱を取ったら、いちど水を交換してください。 再び、調理用ボールに水を入れます。 | |
容器の周りを氷で囲む 水の交換が終わったら、容器に氷を入れます。 氷の入れ方は、アイスコーヒーが入っている容器を氷で囲むように入れてくださいね。 つぎに、調理用ボールに水を入れます。水の量は、氷が少し浮かぶくらいの量です。 完成後は画像のようになります。 これで、アイスコーヒーが冷えるのを待てばいいですよ。 スプーンなどでアイスコーヒーを攪拌すれば、冷たくなる時間が短くなります。 | |
冷やす時間を計る 画像のようになればキッチンタイマーをスタート!! アイスコーヒーの量が120ccならば、8~10分ほどで冷えます。ただし、氷の量によります。 氷が短時間で溶けるようでしたら、氷を追加しましょう。氷を切らさなければ、アイスコーヒーは短時間で冷めますよ。 8~10分ほどで冷め具合を確かめてください。アイスコーヒー容器が冷たくなれば完成です。 | |
保存容器へ移す 完成したあとは、保存容器へ移してください。 保存容器の注ぎ口いっぱい「もう入らない。」ところまで移せばいいです。アイスコーヒーが酸素に触れて味が悪くなるのが遅くなるからです。 保存容器は、冷蔵庫へ入れて冷やしてくださいね。 賞味期限は、冷蔵庫で冷やしても2~3日ほどだと考えてください。日にちが経過すれば、コーヒー液が酸素に触れて味が悪くなるのです。 |
アイスコーヒーの冷やし方は『カフェがやらない冷やし方』で急冷するのを珈琲工房サントスでは、おすすめしています。
この方法で急冷すれば、水っぽくならず、最後まで薄まらないアイスコーヒーが飲めますよ。
アイスコーヒーは
常温で冷まさない
アイスコーヒーは、常温で自然に冷ませば『クリームダウン現象』が起きて、コーヒーが白く濁ります。常温で冷まさない
この現象は、コーヒーの温度が少しずつ下がり、タンニンとカフェインが結合したのち結晶化して起こるものです。
タンニンとカフェインを結合させないためにも常温ではなく、画像のように急冷すればクリームダウン現象が防げるのです。
メリット・デメリット
ここでは、カフェがやらない冷やし方のデメリットとメリットを解説します。デメリットは1つ
アイスコーヒーは、氷に直接触れないので、冷めるのが遅いかもしれません。ただ、アイスコーヒーの粗熱を取る手順を踏んでいるので、氷に触れていなくても冷めるまでの時間の差は少ないと思われます。
いちど あなたが淹れたアイスコーヒーの量で冷めるまでの時間を計り、データを取ってみてください。次回 冷ますときの参考になりますよ。
メリットは3つ
- アイスコーヒーが水っぽくならない
- コーヒー液が分離しない
- 氷が不要になる
アイスコーヒーが水っぽくならない
アイスコーヒーが氷に触れないので、水っぽくなりません。水っぽさを避けるためにも、容器を氷で囲み急冷する方法がオススメなのです。
コーヒー液が分離しない
氷に触れたアイスコーヒーは、個体粒子と水溶性物質の混合物なので、最後は分離します。それに対して、氷に触れないアイスコーヒーは個体粒子が多く分離しません。喫茶店やカフェで氷を入れたアイスコーヒーは、最後のひとくちを飲むころには、コーヒーと水が分離していて飲んでも美味しくないものです。
コーヒー液を分離させないためにも、氷に触れさせない方法で冷ましてください。
氷に触れなければ、最後のひとくちまで美味しいアイスコーヒーが飲めますよ。
氷が不要になる
冷蔵庫でキンキンに冷たくすれば、アイスコーヒーに氷を入れる必要はありません。キンキンに冷えるまでアイスコーヒーを冷やしてください。
とても冷たくなったアイスコーヒーだからこそ、氷は不要なのです。
» 氷の上に直接アイスコーヒーを注いではダメなの?
ダメなわけではありません。
ただ、熱いアイスコーヒーを氷の上に落とせば、薄まり水っぽくなります。氷に触れたアイスコーヒーは、個体粒子と水溶性物質の混合物だからです。
氷で薄まるのを防ぐために、細挽きで水の量も少なくして抽出する方法を選択するひともいます。この方法を選択すると、抽出を工夫しなければ、コーヒーが濃いわりに酸味が出たりします。
なぜなら、粉と水の比率が変わるからです。比率が変われば、それなりのお湯の注ぎ方をしなければなりません。
さらに、コーヒー豆を細かく挽き過ぎていれば、えぐみや渋みが多くなったりします。
確かに、正確に氷の分量を計れば、コーヒーが薄まらない割合がわかるでしょう。けれども、水っぽさは残ります。
そもそも、毎回 コーヒーが薄くならないように、コーヒー豆と水の比率・コーヒー豆の挽き具合・氷の量を正確に考えて淹れるのは、めんどくさいと店主は思います。
お気軽に作るためにも、冷やし方は『容器の周りを氷で囲む方法』をオススメします。
ダメなわけではありません。
ただ、熱いアイスコーヒーを氷の上に落とせば、薄まり水っぽくなります。氷に触れたアイスコーヒーは、個体粒子と水溶性物質の混合物だからです。
氷で薄まるのを防ぐために、細挽きで水の量も少なくして抽出する方法を選択するひともいます。この方法を選択すると、抽出を工夫しなければ、コーヒーが濃いわりに酸味が出たりします。
なぜなら、粉と水の比率が変わるからです。比率が変われば、それなりのお湯の注ぎ方をしなければなりません。
さらに、コーヒー豆を細かく挽き過ぎていれば、えぐみや渋みが多くなったりします。
確かに、正確に氷の分量を計れば、コーヒーが薄まらない割合がわかるでしょう。けれども、水っぽさは残ります。
そもそも、毎回 コーヒーが薄くならないように、コーヒー豆と水の比率・コーヒー豆の挽き具合・氷の量を正確に考えて淹れるのは、めんどくさいと店主は思います。
お気軽に作るためにも、冷やし方は『容器の周りを氷で囲む方法』をオススメします。
アイスコーヒーを淹れる道具の準備
ここから、店主オススメのアイスコーヒーの作り方を解説します。以下のような道具を準備してください。コーヒーミルや温度計がなくてもアイスコーヒーは作れます。
ただ「毎回 安定した味にしたい。」のでしたら『コーヒーミル・デジタル量り・デジタル温度計』は、必ず用意してくださいね。
»【ハンドドリップ用の器具10点をご紹介】必要な入門道具一式を珈琲専門家が伝える
コーヒーを淹れるまえに、お湯を沸かしたりコーヒー粉を挽いたりなど、さまざまな前準備をシッカリしましょう。
淹れる前にする3つの前準備
- 作りたいアイスコーヒーの量を決める
- 基本のレシピを決める
- 何回にわけてお湯を注ぐのか決める
作りたいアイスコーヒーの量を
決める
120ccコーヒーカップもしくは、250ccマグカップで飲みたいのか決めます。飲みたいアイスコーヒーの量が決まらなければ、基本のレシピも決まりません。最初に決めてくださいね。
基本のレシピを決める
アイスコーヒー用コーヒー豆を使い、氷の上に落とさない方法で「120cc作る」としましょうか。- 120ccカップで飲むレシピ
- お湯 150cc
- コーヒー粉 10g
- コーヒー粉 粗挽き
- お湯の温度 91℃
- 粉と水(お湯)の比率は 1:15
» 粉が水を含む量を考える
コーヒー粉は、粉自身の2倍の水を吸い込みます。
コーヒー粉に含まれる水の量は
10g/粉 × 2 = 20cc/水
コーヒーができる量は
150cc – 20cc = 約120~130cc
コーヒー粉は、粉自身の2倍の水を吸い込みます。
コーヒー粉に含まれる水の量は
10g/粉 × 2 = 20cc/水
コーヒーができる量は
150cc – 20cc = 約120~130cc
お湯の温度は、91℃です。
手元の温度を+1℃高い91℃にしておけば、お湯が粉に触れたときの温度は1℃くらい低くなり90℃になるからです。
抽出中の懸濁液のなかの温度は、お湯を注ぎ終わるまで85℃くらいを保てるので、店主は91℃のお湯で淹れています。
ひとそれぞれ好みもあるので、お湯の温度は自由にしてもらえればいいですよ。
美味しいコーヒーをつくるのでしたら、この機会に『デジタル温度計』を使いましょう。お湯を注ぐ温度がすぐにわかりますよ。
来客用に使うコーヒーの量は120ccです
アイスコーヒーは、120cc作れば1人分になります。120ccの量はコーヒーカップの容量と同じなので、氷がなくても見た目がいいです。氷を3~4個入れれば量が増して180ccくらいになります。少し大きめのガラスコップで提供するのに丁度いい量になりますよ。
アイスコーヒーは、キンキンに冷やせば氷を入れなくても飲めます。
見栄えを良くするのでしたら、氷を入れてもいいですよ。ただし、氷でアイスコーヒーが薄まります。
お湯の注ぎ方を決める
ここでは、150ccのお湯をどのようにコーヒー粉に注ぐのかハッキリ決めておきます。お湯の注ぎ方である『お湯の太さ』『何回に分けるのか』『蒸らしあり OR なし』などしっかりと決めてくださいね。
お湯を注ぐ手順3つ
- お湯を20cc注ぐ
- お湯を130cc注ぐ
- 合計150cc注いだらドリッパーを外す
『お湯を注ぐ手順3つ』のように、基本レシピをハッキリと決めれば、自信を持ってお湯を注げます。
「お湯はこう注いでいく。」という気持ちを持っていなければ、途中で注ぎ方がブレたり、思わぬ方向へお湯を掛けたりするものですよ。
基本レシピを持っていれば「もう少し味を何とかしたいな。」と思ったときも、お湯を注ぐ手順を見直し、味の調整が簡単にできるのです。
アイスコーヒーの淹れ方
ここでは、店主が実践する、アイスコーヒーの淹れ方を解説します。この手順の通りに進めれば、基本的なアイスコーヒーが淹れられます。淹れ方に慣れてきたら、さらに美味しくするための『濃厚な味わいにする方法3つ』をお試しください。
スムーズな淹れ方にするためには、お湯を沸かしたりコーヒー粉を挽いたりなど、さまざまな前準備をシッカリしましょう。
店主が実践する淹れ方15の手順
お湯を沸かす 沸かすためだけの『やかん』を使い、お湯を沸騰させます。 コーヒーポットで沸かせば、お湯の温度調整に時間が掛かるからです。 コーヒーポットは、直火に掛ければ、壊れやすいのでオススメしません。 | |
コーヒー豆を量る デジタル計量器でコーヒー粉10gを量ってください。 計量カップで量れば、1gくらいブレたりするからです。 豆が1g増えるだけで味に影響します。デジタル計量器がオススメ! | |
コーヒー豆を挽く 10gのコーヒー粉を粗挽きに挽いてください。 味わいの出方は、挽き具合で決まります。しっかりあわせてください。 挽き具合のあわせ方がわからなければ、コーヒー豆の挽き方の記事をお読みください。 » 豆の挽き方と挽き具合を確かめる方法 | |
紙フィルターを折る まずは、指の腹で紙フィルターの継ぎ目の部分を折ってください。 つぎに、紙フィルターの外側から爪を立てるようにして継ぎ目の部分を折ります。 最後に、紙フィルターの内側に手を入れて指の腹で折り目を際立たせます。 テキトーに継ぎ目の部分を折れば、ドリッパーに密着しません。しっかりと折ってください。 | |
紙フィルターをセットする 紙フィルターをドリッパーにセットしてください。 テキトーにセットすると、紙フィルターがドリッパーから浮きます。 (꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/ 紙フィルターの継ぎ目の部分に指の腹を押し当てしっかりドリッパーに圧着させます。 | |
紙フィルターを水で濡らす 紙フィルターに水を掛けて濡らしてください。ドリッパーに紙フィルターを密着させるためです。 注意点は、紙フィルターの継ぎ目の部分が浮いたりします。浮いたときは、指で押して空気を抜いてください。 『カリタドリパー』や『ハリオV60』を使えば「これで密着しているの?」となったりします。 そもそもこの2つのドリッパーは、空気が抜ける構造なので気にしないでください。 | |
コーヒー粉を挽きセットする 10gのコーヒー粉をドリッパーに移します。 濡らした紙フィルターにコーヒー粉が付きやすいです。 紙フィルターの中心に、そっとコーヒー粉を移してください。 | |
コーヒー粉を平らにする ドリッパーのもっとも細い根本のところを持ってください。 ドリッパーを横にゆすって粉の面を平らにします。 優しく揺ってくださいね。 | |
デジタル量りの目盛りをゼロ設定にする コーヒーサーバーとドリッパーをデジタル量りの上に置きます。 2つの道具が置けたら、デジタル量りの目盛りをゼロ設定にしてください。 これで、お湯を注ぐ準備ができました。ここから注ぐお湯の量は、デジタル量りの目盛りを頼りにして淹れていきます。 | |
お湯をコーヒーポットへ移す 沸かしたお湯をコーヒーポットヘ移してください。 デジタル温度計をコーヒーポットに入れ、お湯の温度を測ります。 お湯が91℃になれば準備OK!!
お湯を91℃にする方法 | |
1回目のお湯を注ぐ ここのSTEP11で味の8割が決まります。注ぎ方をしっかり覚えてくださいね。 注ぐお湯の細さは、3mmスパゲティーを想像してください。 注ぐお湯の量は、20ccです。 注ぐお湯の高さは、店主が使うコーヒーポットならば下から3㎝の高さ。高さは、使用するコーヒーポットにより違います。 しっかりイメージして注ぐ お湯の細さは、ただ「細くする。」と思うだけではなく、細い物を想像してください。想像すれば、身体が反応します。実際にお湯が細くならなくても身体は努力するものです。3mmスパゲティーや素麺は難しいかもです。細く出せるようになって欲しいので、5mmスパゲティーを目指してください。 身体がしっかり反応するためにも、3mmスパゲティーの細さをイメージして注ぐのはオススメです。 お湯の注ぎ方 お湯20ccは、コーヒー粉の全体に均一になるように、3㎝の高さからお湯を回し掛けます。この注ぎ方には、3つのメリットがあります。 1つめは、すべてのコーヒー粉にお湯を均等に掛けられる。 2つめは、お湯に触れていないコーヒー粉の塊ができるのを防ぐ。 3つめは、コーヒー粉に閉じ込められた炭酸ガスを放出させる。 デメリットは、たくさんのお湯を注げば、微粉で紙フィルターの眼が詰まります。お湯の量は、最大でコーヒー粉の3倍までにしてください。 乾いたコーヒー粉は、どのくらいお湯が染み渡りにくいのか想像しやすいように参考記事をご紹介します。 記事中の動画をご覧ください。 » お湯の染み込みにくさがわかる | |
蒸らしは無し このお湯の注ぎ方は、蒸らし目的ではありません。前述の通り『3つのメリット』のためにお湯を注いでいます。 蒸らしをしないのは、蒸らすための時間を取りたくないというのもあります。 ちなみに、店主は、基本的に蒸らしをしません。ただ、異なる趣の味を出したいときは、蒸らしをするときもあります。 蒸らしの時間を取れば、懸濁液に予想外の水路ができます。水路があれば、偏ったお湯の流れになり、局所的な過抽出により渋みが出たりします。 蒸らしに時間が掛かるほど、さらに2つの悪いことが重なります。 1つめは、懸濁液の温度が下がる。2つめは、お湯の粘性が上がる。この2つが重なれば、コーヒー液の透過速度は下がり、重たい味のコーヒーになるのです。 コーヒー粉全体に染み渡らせるために、コーヒー粉10gの2倍の量である20ccを注いでいます。このお湯の量であるていどは粉全体に染み渡っています。 コーヒー粒度は大小さまざまな大きさなので、このStepだけでは、粉のなかまでは完全に染み込みません。 コーヒーを淹れる場所は、完全にフラットではなく、微妙に傾斜が付いています。 流れやすい方向に流れるので、この手順だけで全体の粉のなかまで完全に染み渡らせるのは難しいのです。 | |
2回目のお湯130ccを注ぐ 1回目のお湯を注ぎ終わったら、すぐに2回目のお湯130ccを素麺のような細さで注いでください。 蒸らしをしないので、懸濁液のなかは88℃くらいの温度。コーヒー成分がよく出ますよ。 お湯を注ぐ位置は、粉の真ん中。 お湯の注ぎ方は、真っすぐ落とす。 お湯を注ぐ高さは、店主が使うポットならば懸濁液から3㎝の高さです。 お湯は、グルグル回さない。 コーヒーベッドの縁にお湯を掛けない。 注ぐお湯の高さを詳しく解説 高さは、お湯が懸濁液に当たり、飛び散るような音が聞こえる位置より少し低い位置のところです。つまり、流れ落ちるお湯が割れる直前の位置。この位置こそ、お湯の貫通力が強い高さです。 » プラトー・レイリー不安定性 | |
ドリッパーを外す ここまででお湯は 20cc + 130cc = 150cc 注ぎました。 蒸らしをせず、2回お湯を注いだわけです。 2回目のお湯 130ccは、落とし切りません。 デジタル量りの目盛りが150ccになれば、直ぐにドリッパーをサーバーから外してください。 懸濁液の透過速度が遅く、流れも不均一になり、重たい苦味と渋みがコーヒーカップに入るからです。 この方法は、局所的な過抽出の仕組みを使って、コーヒー液に重たいコクや苦味を入れます。 コーヒー液が落ちるのを観察して、落ち切る間際にドリッパーを外すのです。 ただし、コーヒー液に入るのは苦味だけではなく、すべてのコーヒー成分が入ります。 やり過ぎれば、重たい味になったり渋みが入ったりするコーヒーになりますよ。 | |
アイスコーヒーの抽出が終り |
言葉の意味定義
» 迂回して落ちるとは、何ですか?コーヒーベッドを通過しない懸濁液やお湯が落ちる現象です。
通過しないつまり、迂回して落ちるのですから、濾過されないコーヒー成分がコーヒーカップに入るのです。迂回を英語で『バイパス』といいます。
» 懸濁液とは、何ですか?
懸濁液とは、コーヒー液体中に極小さい固体微粒子が分散したものです。具体的には、粘土や泥水などです。これらは放置すれば、長い時間かけて微粒子が沈降します。» コーヒーベッドとは、何ですか?
お湯の流れにより、コーヒー粉でできた層のことを『コーヒーベッド』といいます。お湯を注ぐたびにコーヒー粉が攪拌されて、ドリッパーの底に溜まったり側面に付着したりします。濃厚な味わいにする方法3つ
アイスコーヒーを試飲してみて濃さはどうでしたか?店主は、20cc + 130cc = 150cc の注ぎ方で淹れるアイスコーヒーを基本としています。この基本をもとに注ぎ方を工夫して、美味しくしているのです。
注ぎ方の具体例を解説していますから、基本の作り方の味に物足りなさを感じたら『濃厚な味わいにする方法3つ』をお試しください。
アイスコーヒーは、あなたが美味しく飲めればいいわけなので、自由に淹れてください。
『+』をクリックすれば、開きます。以下の方法で、アイスコーヒー作りにお役立てください。
濃厚にする3つの方法
- 注ぐお湯の量を分割する
- 高い位置からお湯を注ぐ
- 注ぐお湯の量を変える
» 注ぐお湯の量を分割する
1つめは、お湯の注ぐ量を分割するほどコーヒーは濃くなります。
» コーヒー抽出の前半に合計50cc注ぐとして、濃くする注ぎ方を2つ紹介。
1・20cc + 15 + 15 = 50cc
2・20cc + 10 + 10 + 10 = 50cc
注ぎ方1よりも2のほうが分割する数が多いので濃くなります。
さらに、濃厚具合を増したいのであれば、こう分割します。
20cc + 5 + 5 + 5 + 5 + 5 + 5 = 50cc
実践してみれば、濃くなるのがわかると思います。ただ、透過速度が遅くなり、予想外の水路ができて局所的な過抽出になったりします。
» 高い位置からお湯を注ぐ
2つめは、お湯を高い位置から注ぐ方法があります。
この方法は、コーヒーポットの注ぎ口を懸濁液よりも高く上げます。高さは、お湯が懸濁液に当たり、お湯の飛び散るような音が聞こえる位置より少し下げたところです。つまり、飛び散る音が聞こえなくなる位置になります。
この位置から注げば、コーヒーベッドの貫通力が強くなります。
» プラトー・レイリー不安定性
貫通力が強くなれば、懸濁液は乱流になります。流れは速く伴流も発生し、多くのコーヒー粉が引き込まれます。すべてのコーヒー粉がお湯に触れるようになり、コーヒーは濃厚になるのです。
お湯が割れず飛び散る音が聞こえなくなる位置は、使用するコーヒーポットにより違います。割れる位置は、目視ですぐにわかりますから、いちど確かめてください。
» 注ぐお湯の量を変える
3つめは、注ぐお湯の量を変えるのも有効です。
お湯の太さを5mmスパゲティーくらいにして注いでもらえば、お湯が多めに投入されます。さらに、お湯が太くなれば、注ぐ高さはもっと上げられるので、懸濁液も乱流になり、すべてのコーヒー粉に新鮮なお湯が届きます。
このように、注ぐお湯の量を変えただけでもコーヒーは濃くなるのです。
ここまで、3つの方法をご紹介しました。どの方法もやり過ぎはダメですよ。やり過ぎれば、紙フィルターに微粉が付着し、目詰まりを起こすからです。
淹れ方の注意点3つ
ここでは、アイスコーヒーを淹れるときの注意点3つを解説します。できそうな注意点から実践していただければ、アイスコーヒーの淹れ方が上手になりますよ。
注意点3つ
- 細かく挽き過ぎない
- コーヒーベッドを壊さない
- 懸濁液を最後まで落とさない
細かく挽き過ぎない
コーヒー豆を細かく挽き過ぎれば、微粉が大量に発生し、紙フィルターの目詰まりを起こすからです。さらに微粉は、上から注がれるお湯の流れに引き込まれ、ドリッパーの底に沈下していきます。
微粉の沈下は均一に沈むのではなく、不均一に沈むのです。
不均一に沈むというのは、ある個所は微粉で詰まったりある個所は微粉で詰まらない状態になります。
こうなると流れは不均一になり、微粉で詰まったところは透過速度が遅くなり、局所的な過抽出になります。
コーヒー豆を過度に挽き過ぎないでくださいね。
コーヒーベッドを壊さない
濾過層の役目をするのがコーヒーベッド。コーヒーベッドは、紙フィルターよりも強力な濾過能力で渋みなどを濾過します。このコーヒーベッドを壊せば懸濁液が溢れ出します。
溢れた懸濁液は、迂回する流れになり、濾過層を通過せずコーヒーサーバーへ落ちます。
さらに懸濁液はドリッパー側へ流れ、紙フィルターが微粉で目詰まりを起こします。目詰まりを起こしたところからは、コーヒー液が出てこなくなり、目が詰まっていないところから出ます。
これが懸濁液の流れを不均一にし、局所的な過抽出につながるのです。
過度にグルグルお湯を回したり高すぎる位置からお湯を注いだりすれば、コーヒーベッドを削りやすいです。
削ればコーヒーベッドが壊れるので、お湯の注ぎ方の練習を積んでくださいね。
懸濁液を最後まで落とさない
お湯を注ぎ切ったあと懸濁液が『ポタポタ』と落ち始めるまで待たないでください。重たいコクや苦み、渋みがコーヒーサーバーに落ちるからです。具体例をあげます。
150ccのお湯を注ぎ終われば、懸濁液も沈み始めます。沈みだせば懸濁液の粘性が高くなるので、流れは低速で不均一になります。不均一になれば、ドリッパーの底は局所的な過抽出になりやすく、渋みと苦みがコーヒーサーバーへ落ちるのです。
規定量のお湯を注ぎ切ったら、流れが不均一にならないうちにドリッパーを外してください。ただ稀に、コーヒーベッドが秀逸で雑味が落ちないときもあります。
コーヒーベッドを壊さないだけでも守る
- 過度な苦みや渋みを出さないために『コーヒーベッドを壊さない』だけでも守ってくださいね。
ほかにも注意点は多数あります。すべての注意点をお伝えしても「無理だわ。」となるだけだと店主は思っています。
淹れ方の注意点3つのうち、できそうなものから取り組んでいただければ、コーヒーは美味しくなりますよ。
アイスコーヒー用に
適したコーヒー豆
ここでは、アイスコーヒーに使える『極深煎りコーヒー豆』を紹介します。-
- 香ばしい豊かな香りが特長です。どれもアイスコーヒーにおすすめ!!
このカテゴリーの珈琲豆3種類は、スッキリやほろ苦など それぞれ味わいが違いますよ。
» 商品ページへ
Amazonや楽天市場でも買えるの?
珈琲工房サントスのコーヒー豆は、Amazonや楽天市場では販売していません。ただ、姿かたちが似た極深煎りコーヒー豆ならば、Amazonなどにもありました。
いちど他の店舗の極深煎りコーヒー豆と価格や送料なども含めて比べてください。
» ほかのお店と比較する項目は、2つ。
- 100gから購入OKが書かれているか
- 使われている生豆が書かれているか
100gから購入OKが書かれているか
100gから購入できれば、飲み切れる量のアイスコーヒーが購入できます。大容量パックを買えば、使い切るのに時間が掛かって脂質も酸敗してしまいます。
100gから購入OKと書いてあるものを選んでみてください。
» コーヒー豆・粉を一度に買う量は?
使われている生豆が書かれているか
どんな材料でアイスコーヒー豆を作っているのかがわかれば、安心して買えますよね。Amazonや楽天市場で材料を公開しないお店を頻繁に見かけます。どんな材料で作られているのかは、消費者として知りたいものです。
安心してコーヒーを飲むためにも、使われている材料を公開しているお店から購入するのをオススメします。
まとめ
ここまで、アイスコーヒーの作り方と冷やし方を解説しました。大切なのは、容器の周りを氷で囲み急冷する方法でしたね。
アイスコーヒーを淹れるときは、大切な注意点3つがありました。
- 細かく挽き過ぎない
- コーヒーベッドを壊さない
- 懸濁液を最後まで落とさない
淹れ方の注意点3つ
この3つのポイントさえ守っていただければ、少しくらいお湯の注ぎ方を失敗しても、そんなに苦みの強いコーヒーにはならないと店主は思います。
ただ、注意しなければならない点が1つあります。
この方法の検証は、店主の味覚でおこなっているのです。
店主が「苦くないぞ」と思っても、ひとにより「苦過ぎるな。」となったりします。(^_^;)
苦みの感じ方は、ひとそれぞれです。
店主の味覚と同じにするとなれば、しばらくのあいだ店主と同じ食生活にしなければなりません。(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/
さらに、店主が使っている道具と同じ道具で淹れて、味のすり合わせをしなければなりません。
これは、なかなか難しいですよね。
ぜひ、本稿を活用し、スッキリ濃厚なアイスコーヒーを飲んでください。
覚えた知識を使って、あなたの興味のあるアイスコーヒー豆で練習してみてくださいね。
コーヒー豆・お悩みの種類別
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