2023.10.15更新
カフェや喫茶店を開業するには、コーヒー豆が必要です。コーヒーマシーンやカップウォーマー、冷蔵庫や看板など さまざまな物も必要になります。これらの購入には、業者から商談の申し込みもあるでしょう。
商談の注意点がわからず 業者の言われるまま契約すれば、コーヒー豆代に貸し出し料金を上乗せされあなたが考えているほど粗利益は増えないかもしれません。
本稿では、業者とコーヒー豆を取引するときの注意点3点について、コーヒー業界24年の店主が解説します。
この記事を参考にすれば、あなたは業者選びで悩まなくなります。
ここで先に結論をお伝えすると、店舗に必要な道具や機械を業者から無償で借りないでください。
コーヒー豆の賞味期限や品質についても学習しておくといいです。
コーヒー豆の賞味期限や品質についても学習しておくといいです。
厨房機器や看板は、業者がタダで貸してくれないことを覚えておけばOKです!!
今後、カフェ経営で「粗利益を大きく出していこう。」と考えているならば『自前でそろえる』と『予習する』を覚えてください。
コーヒー豆の取引の注意点3点
ここでは、業者と商談する機会があれば、注意するべき3点をお伝えします。しっかりと予習して、この3点さえ押さえておけば、コーヒー豆の取引を始めても良い業者なのかがわかります。
注意するべき3点
- 厨房器具を借りない
- 焙煎日を質問する
- 賞味期限を質問する
厨房器具を借りない
厨房器具や看板、コーヒーメーカーやコーヒーミルなど、業者から「無償で貸すよ。」と言われても、あなたは借りてはいけません。業者はタダで貸すわけではないからです。貸した厨房器具の代金は、業者は何らかの方法で必ず回収します。
業者が代金を回収する方法として、コーヒー豆や食材代金に貸し出し料金が含まれたりします。
コーヒー豆代金に貸し出し料金が含まれれば、コーヒー豆代金が高くなるでしょう。
業者から「無償で貸すよ。」と言われても、自前でそろえてください。
あなたのことを考えている業者ならば「食材が高くなりますから、何も借りないほうがいいですよ。」と最初に言ってくれるはずです。
» 貸し出し料金がコーヒー豆代金に含まれたらどうなるのか?
契約内容は、コーヒー豆を4,000円/㎏で購入します。業者から店舗の看板を借りたからです。
コーヒー豆代金 4,000円/㎏の内訳は、コーヒー豆代が3,000円・看板の貸し出し料金が1,000円です。
コーヒー豆を使う量は、月間で10㎏使用するとします。
計算すると、月間で看板の貸し出し料金は、10㎏ × 1,000円 = 10,000円/月です。
1年間として計算すると、120,000円もの貸し出し料金になるのです。
つぎに、年単位で看板の貸し出し料金を考えてみましょう。
そのうえ月々のコーヒー使用量が増えても、1㎏あたりのレンタル料は変わりません。毎年120,000円も払い続けなくてはいけません。
貸し出し料金を払わず120,000円もあれば、器具備品によっては、良い物を買えますよね。
具体例は『毎月10㎏使用する』というザックリとしたものです。ただ、そんなに離れていないコーヒー豆の使用量だと店主は考えています。
契約内容は、コーヒー豆を4,000円/㎏で購入します。業者から店舗の看板を借りたからです。
コーヒー豆代金 4,000円/㎏の内訳は、コーヒー豆代が3,000円・看板の貸し出し料金が1,000円です。
コーヒー豆を使う量は、月間で10㎏使用するとします。
計算すると、月間で看板の貸し出し料金は、10㎏ × 1,000円 = 10,000円/月です。
1年間として計算すると、120,000円もの貸し出し料金になるのです。
つぎに、年単位で看板の貸し出し料金を考えてみましょう。
- 1年で120,000円
- 2年で240,000円
- 3年で360,000円
- 5年で600,000円
そのうえ月々のコーヒー使用量が増えても、1㎏あたりのレンタル料は変わりません。毎年120,000円も払い続けなくてはいけません。
貸し出し料金を払わず120,000円もあれば、器具備品によっては、良い物を買えますよね。
具体例は『毎月10㎏使用する』というザックリとしたものです。ただ、そんなに離れていないコーヒー豆の使用量だと店主は考えています。
ちなみに、コーヒー豆10㎏というのは、コーヒー液にして1,000杯分。
1,000杯分というのは、月間25日営業するとしたら、1,000杯 ÷ 25日営業 = 40杯分。
40杯分というのは、1日あたり40人のお客さんにコーヒーを提供するわけですね。
ここまで、1日あたりの来店客数として考えてみても、そんなに離れていない数字だと思われます。
無駄な貸し出し料金は払わないで、お客様のために還元したり、食材を良くするために使うほうが良いですよ。
平均料金の単価と平均客数の動向が書いてあります。
» 喫茶店営業の実態と経営改善の方策 / 平成28年3月版 / 厚生労働省
焙煎日を質問する
店舗に届くコーヒー豆は、焙煎日がわからなければなりません。コーヒーを抽出するときに、焙煎日がわからなければ、注ぐお湯の温度が決められないからです。焙煎した直後のコーヒー豆は、炭酸ガスを盛んに放出します。炭酸ガスを放出すれば、お湯を注いだときにコーヒー粉が急激に膨らむので、コーヒー抽出を難しくします。
それに対して、お湯を注ぎやすくなるのは、焙煎してから2日ほど経った炭酸ガスの放出が落ち着いたコーヒー豆。抽出されたコーヒーの味わいも尖った雑味が出にくくなるのです。
店舗に届くコーヒー豆には、必ず、業者に焙煎日を明記してもらいましょう。コーヒー豆に焙煎日が書いてあれば、注ぐお湯の温度も決めやすくなりますよ。
大企業のコーヒー豆は、鮮度が劣る
大手の卸業者は、豆を販売する自家焙煎店よりも鮮度が劣ります。大手の卸業者は、コーヒー豆を大量に焙煎し、スーパーマーケットや飲食店の業界と取引しているからです。
そのうえ、一次問屋から二次問屋へと商品が流通すれば、消費者に届くまでに長い時間がかかります。
時間が掛かれば、鮮度の落ちたコーヒー豆が消費者に届いてしまうのです。
焙煎した日を観れば、流通した期間がわかります。
賞味期限を質問する
コーヒー豆の取引を業者と始めるまえに「賞味期限はいつまでですか?」と質問してください。この質問をすれば、業者のコーヒー豆に対する姿勢がわかるからです。業者は、焙煎したあとのコーヒー豆の脂質が劣化するのは知っているはずです。
「○○日で使い切ってください。」だったり「できるだけお早めに使ってください。」という話になるのが当たり前。
けれども「1ヶ月や2ヶ月は大丈夫ですよ。」「半年は持ちますよ。」などと業者から伝えられたら「コーヒーの脂質劣化を知らないのかな?」と、あなたは業者を疑うべきです。
「半年は持ちますよ。」という認識しかない業者と取引していれば、焙煎から3ヶ月も経過したコーヒー豆が届くかもしれないからです。
「賞味期限はいつまでですか?」と業者に質問したら「コーヒー豆1㎏を遅くても1週間で使い切ってください。」といった回答であれば、取引しても良い業者だと店主は、考えているのです。
注意点から得られるメリット3つ
注意点3点に気をつけて業者と商談すれば、どのようなデメリットとメリットがあるのか解説します。まずは、デメリット。
デメリットとしては、何もないと店主は思っています。
あるとすれば、業者によっては、注意点3点を質問するだけで「思うようにならないオーナーだ。」となり、再訪問がないかもしれませんね。
メリット3つ 覚えましょう
- 良い業者だとわかる
- 粗利益額が増える
- 貸し出し契約にしばられない
業者に鋭い質問をすれば、店舗運営が良くなります。さらに、質問によって良い業者だとわかれば、継続した取引ができるようになるでしょう。
良い業者だとわかる
あなたが勉強で学んだとおりの回答が業者から返ってくれば、良い業者とわかります。良い業者とわかれば、継続取引をお願いし、お互いWinWinの関係を築いていければいいですね。良い業者は、さまざまな業界情報も持ってきてくれます。商売で困ったときには、業者の人脈から、その困りごとに適任したひとも紹介してくれるでしょう。
良い業者と取引するためにも、コーヒー豆やさまざまな道具について、しっかり予習してください。知識を持って本音で業者と話ができれば、良い業者が見つかるはずだと店主は考えています。
粗利益額が増える
店舗を運営するための器具や機械を借りなければ、粗利益額は増えます。なぜなら『商品代 + 貸し出し料金 = 仕入価格が高い』の公式にならないからです。この公式で粗利を増やそうと考えたら、価格を上げなければならなくなります。
価格を上げれば、客層が上位に変わったりします。
客層が変れば、いままでの販売してきた方法が通じなくなるかもしれません。
業者から何も借りさえしなければ、あなたが狙っている客層で商売ができます。狙っている客層ならば、粗利を増やすのも簡単なのです。
貸し出し契約にしばられない
無理な取引を業者からお願いされても、あなたはハッキリと断れます。業者から器具や機械を借りていないから貸し出し契約もなく、取引に強気でいられるからです。強気でいられれば「仕方がないから、お付き合いで買うしかないか。」となったりはしないでしょう。
まとめ
店主は、修行時代に『コーヒー豆代金 + 貸し出し料金』といった方法で、喫茶店と契約をしてきました。当時の経験を振り返ると「さまざまな物を貸し出した取引だったな」と思っています。
この修業時代の出来事を「こんなこともあるから、注意してね」といった意図を持って書きました。
最後に、もういちど大切な項目を確認して終わりにします。
コーヒー豆を取引するときの注意点3点は、こうでしたね。
- 厨房器具を借りない
- 焙煎日を質問する
- 賞味期限を質問する
この3点さえ押さえておけば、取引を始めても良い業者なのかがわかりました。
注意点から得られるメリット3つを覚えてくださいね。
- 良い業者だとわかる
- 粗利益額が増える
- 取引先に縛られない
『コーヒー豆を取引するときの注意点3点』と『注意点から得られるメリット3つ』さえ覚えていただくと、コーヒーに関しては、大きな失敗はしません。
もし失敗したとしても、小さいキズで済みます。
ぜひ、さまざまな業者と商談し、経験値を積んでください。
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