2024.05.21 更新
コーヒー豆の挽き方は、粗挽き・中挽き・細挽きなど挽き具合があえば、美味しいコーヒーが飲めます。けれども、自分にあう挽き具合がわからず、YouTubeや書籍を参考にしても、苦過ぎたり薄すぎたりしますよね。
本稿では、挽き方や挽き具合の指導歴25年の店主がわかりやすく徹底解説します。
この記事を参考にすれば、あなたは美味しいコーヒーが飲めますよ。
珈琲豆を挽く方法は、粗挽きから細挽き方向へ進めるのが基本。
さらに、店主が実践している挽き具合の確認方法も公開します。
この方法は、すべてのコーヒーミルに対応できますよ。
さらに、店主が実践している挽き具合の確認方法も公開します。
この方法は、すべてのコーヒーミルに対応できますよ。
挽き具合を探すコツは、あなたの味覚で「好きな濃さになったところが粗挽き」「嫌いな味が出たら1つ戻ったダイアル位置が細挽き」と覚えておけばいいです。
今後、美味しいコーヒーを飲み続けたいと思ったら、コーヒー豆を挽く方法と挽き具合の確認方法を覚えてください。
コーヒー豆の挽き方や挽き具合を覚えたら、つぎのステップへ進みたくなるもの。
それならば『コーヒーの淹れ方のコツ』をお読みください。きっと、あなたのお役に立ちます。
目次
コーヒー豆の挽き方と挽き具合の確認方法
ここでは、店主が採用している方法を解説します。この方法は、コーヒー粉が大きくなる『粗挽き』と、小さくなる『細挽き』の調整ができるコーヒーミルならば、すべて当てはまります。
コーヒーミルの調整機能は、ダイアルのことですよ。
店主がする挽き具合を確認する手順
コーヒー豆を量る | |
挽き具合を粗挽きにする コーヒー豆の挽き方は、粗挽きから始めるのが基本です。 もっとも大きい挽き具合である『粗挽き』にダイアルをあわせます。 もしも粗挽きの位置がわからないコーヒーミルならば、粗挽き方向へダイアルが止まるまで回します。 | |
粗挽きで挽いてみる コーヒー豆を挽きます。 大きく粗いコーヒー粉が多いはずです。 大き過ぎる粉でも調整段階なので、気にしないでください。 | |
挽き具合を確認する 挽き終わったらコーヒーを淹れます。 試飲して挽き具合を確認するためです。 いつも使っている道具を使い、いつもの淹れかたでコーヒーを淹れてください。 | |
味の確認をする コーヒーを淹れ終わったら試飲して、挽き具合を確かめます。コーヒーの味見ですね。 挽き具合を確かめるポイントは、2つ。
| |
粗挽きのつぎを挽く 味見したあとは、味が良くてもつぎの挽き具合を試してください。 つぎの挽き具合でさらに美味しいコーヒーになるのか、もしくは嫌いな味が出始めるのかのどちらかを探りたいからです。 つぎのコーヒー豆10gをコーヒーミルに入れて、ダイヤル番号を1つ細挽き方向へ進めて挽いてください。 | |
つぎの挽き具合で味見する 細挽き方向にして挽き終えたコーヒー粉で淹れて試飲します。 ここでもコーヒーの濃さと味の出具合いを確認してください。 「嫌いな味が出ていないか。」がポイントになりますよ。 | |
粗挽きを見つけるコツ 1目盛りづつ細挽き方向へ進んでは試飲を繰り返してください。 挽き進めていくうちに「この濃さなら飲めるな。」という挽き具合が出てきます。 その挽き具合から もう1つ前へ進み「この濃さなら飲めるな。」という挽き具合と味を比べます。どちらの挽き具合が美味しいのか比べて良いほうを選んでください。 良いほうの挽き具合があなたの粗挽きになるのです。 粗挽きを見つけるコツは、挽き進めていくうちに、あなたの好きな濃さが出てくるので見つけやすいですよ。 | |
細挽きを見つける さらに、試飲を繰り返しながら、ダイアルを細挽き方向へ進めます。コーヒーの苦さと濃さが増していくのがわかるはずです。 挽くのを止めるポイントは、あなたの嫌いな味が出るまで!! それまでは、このStepを繰り返してください。 繰り返す回数は、ひとによります。どんな味が嫌いなのかは、ひとそれぞれだからです。 過度な苦さや渋み、えぐみなどが出れば、挽くのを止めるといいですよ。 | |
嫌いな味が出れば1つ戻す 挽き進めて嫌いな味が出れば、ダイヤル番号を1つ戻しましょう。 1つ戻したダイヤル番号こそ、あなたの細挽きになるのです。 | |
中挽きを探す 中挽きは、粗挽きダイヤル番号と細挽きダイヤル番号の中間のところと覚えてください。 試しに中間のところで豆を挽き、試飲してみましょう。 ここまでで いま挽いている豆の挽き具合は すべて決まりましたね。 |
このようにして、コーヒー豆の挽き具合を『粗挽き・中挽き・細挽き』とあなたの味覚で決めていきます。
この方法を実践すれば、あなた独自の挽き具合がわかるので、YouTubeや書籍などに頼る必要はなくなりますよ。
挽き方と挽き具合の
意味定義
挽き方は、コーヒーミルを使ってコーヒー豆を挽く方法や手順。意味定義
挽き具合は、コーヒー粉の粒の
大きさ表す言葉。
挽き具合を確認するために
準備したもの3つ
準備したもの3つ
- コーヒーミル
- デジタル量り
- コーヒー豆
コーヒー豆は、焙煎したてのものをご用意ください。焙煎したてであれば、コーヒー豆の銘柄は、お好きな豆を使ってください。
味のブレをなくすために、デジタル量りがオススメです。
挽き具合の決めかたの注意点
ここでは、挽き具合の決めかたの注意点を解説します。とくに、YouTubeなどのメディア情報を観るときは、情報に惑わされないように注意してくださいね。
- 挽くまえの注意点3つ
- 挽き進めるときの注意点3つ
- 挽き具合が決まったあとの
注意点3つ - YouTubeや雑誌の情報を信じない
挽くまえの注意点3つ
- YouTubeや雑誌の情報を
信じない - 取説の挽き具合設定を信じない
- コーヒー粉の量が1g違えば
味は変わる
YouTubeや雑誌の情報を
信じない
動画や書籍で解説している内容をそのまま信じないようにしましょう。信じない
なぜなら、あなたの味覚を通して挽き具合を決めたわけではなく、話し手の主観で解説しているからです。さらに、話し手の嗜好も入った挽き具合なんですよ。
話し手の挽き具合をあなたの好みにあわせようとするならば、お互いの嗜好を擦りあわせしなければならないのです。
取説に書いてある挽き具合設定を
信じない
コーヒーミルの取説の通りに挽くと、極端な細挽きになったりするからです。信じない
「取説の内容が正しいのだ。」と信じてしまえば、あなたにあう挽き具合を知らないままになります。
あなたにあう挽き具合にするためには、取説の内容は参考ていどにして『挽き具合をあわせるたびに コーヒーを淹れて飲んでみる。』をしてください。
コーヒー粉の量が1g違えば味は変わる
コーヒー粉を増やしたり減らしたりすれば、コーヒー粉から出る成分の量が違います。今回の挽き具合のあわせかたは、コーヒーを試飲しながら最適な挽き具合を見つけるわけですから、コーヒー粉の分量を変えてはダメです。
分量を変えると、試飲の都度 味がブレるので、試飲テストができなくなります。
デジタル量りで正確に粉を10g量り、試飲のときの味の振れをなくしてください。
コーヒーは、粉1~2gの違いでも味に差が出るものなんですよ。
挽き進めるときの注意点3つ
- 粗挽きから細挽き方向へ
挽き進める - 挽き具合だけを変える
- いつもの淹れ方で試飲する
粗挽きから細挽き方向へ挽き進める
テキトーに挽き具合をあわせては、ダメですよ。テキトーだと挽き具合がピッタリあう確率は下がり、作業効率も落ちるからです。ただ、偶然あったりもしますが—。(^_^;)
効率よく挽き具合をあわせようと考えたならば、粗挽きから細挽き方向へ1目盛りづつ挽き進めるといいです。
10個の目盛りがあるコーヒーミルを具体例にすると、挽き進めていくうちに1/10回で挽き具合があいます。
遠回りだと考えないで、根気よく挽き具合をあわせていきましょう。
遠回りだと考えないで、根気よく挽き具合をあわせていきましょう。
挽き具合だけを変える
粉の量やお湯の量、さらに注ぐお湯の温度も変えれば、条件がいくつもできて味を比べる回数が増えます。試飲する回数が増えれば、時間は無駄に溶けます。
作業を短時間で終わらせるためにも、挽き具合だけ変えるようにしてくださいね。
いつもの淹れ方で試飲する
いつもと違う淹れ方は、慣れていない方法なのでコーヒーの味がブレてしまいます。普段からペーパードリップで淹れているのでしたら、試飲のときもペーパードリップで淹れるといいですよ。
どんな道具でもOKでしたら、ご自由に道具を選んでください。
挽き具合が決まったあとの
注意点3つ
- 焙煎度合いが違えば
挽き具合も違う - 豆の種類が違えば
挽き具合も違う - コーヒーミルが違えば
挽き具合も違う
焙煎度合いが違えば挽き具合も違う
浅煎りと深煎りとでは、挽き具合が違ったりします。深煎りはコーヒー成分の抽出量が多くなるので、同じ挽き具合だと苦過ぎたりするからです。
浅煎りと深煎りとでは、同じ挽き具合だと考えないようにするといいですよ。ただ、ひとの味覚はさまざまで、挽き具合は同じで良いひともいるのです。
豆の種類が違えば挽き具合も違う
生産地の栽培環境や精製方法により、コーヒー成分の量が違うからです。グァテマラコーヒーとエチオピアコーヒーとでは、挽き具合が違ったりします。
生産地の事情を考えずに「コーヒーならば同じ挽き具合だ。」と考えないようにしましょう。ただ、ひとの味覚は、さまざまですからね。
生産地の事情を知るためには、コーヒー豆販売店の店主から教わるのがいいですよ。
コーヒーミルが違えば挽き具合も違う
コーヒーミルの製造メーカーは同じでも、機種が代われば挽き具合も変わります。コーヒーミルは、新しい機種に買い替えたりすれば「刃が変わっているかな?」と疑問を持っておけばいいですよ。
ちなみに、製造メーカーが代われば、挽き具合は違うと考えてくださいね。
YouTubeや雑誌の情報を
信じない
YouTubeや雑誌は主観で解説しているので「粗挽きは、ザラメ糖ほどで大きめの粒です。」と解説していても、あなたにピッタリの挽き具合になるとは 限りません。メディアの情報は、あなたの味覚を通してコーヒー粉の挽き具合を決めたわけではなく、話し手の主観で解説しているからです。
あなたが試飲しなければ、ピッタリの挽き具合とはならないのは、もうおわかりですね。
とは言うものの、どうしてもメディアの情報と同じにしたいひともいるかもしれないので、具体例をお伝えします。
» 話し手と同じ挽き具合にする具体例
4つの条件が必要になる
- 話し手と味覚の
すり合わせをする - 話し手と同じ道具を使う
- 話し手と同じコーヒー豆を使う
- 話し手と同じ淹れ方をする
難しい条件としては『話し手とあなたの味覚のすり合わせをする』の項目です。しばらくのあいだ、話し手と一緒に食生活をしなければならないからです。(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/
「粗挽きは、ザラメ糖ほどで大きめの粒。細挽きは、上白糖とグラニュー糖のあいだくらいの粒です。」とYouTubeで解説があったとしても、知識のひとつとして捉えましょう。
YouTubeで解説している内容を参考にして、実験を重ね、トライ&エラーしない限り、あなた好みの挽き具合にはならないのです。
店主の挽き具合の確かめ方
挽き具合の確かめ方は、挽き進めるつどコーヒーを淹れて試飲する方法をお伝えしてきました。ここでは、店主がどのようにして挽き具合を確かめているのか解説します。参考にしてもらえば、あたなのお役に立ちます。
試飲するためのコーヒーの淹れ方は、難しくなく、シンプル。
挽き具合を確かめるために、ひとの脳が指示を出す動作を排除して、機械のようにコーヒーを淹れています。
人間がする動作がもっとも信用できないからです。
淹れる手数を少なくしているので、過度な味は出ず、挽き具合そのものの味がわかります。
人間がする動作がもっとも信用できないからです。
淹れる手数を少なくしているので、過度な味は出ず、挽き具合そのものの味がわかります。
試飲して挽き具合を確認する方法
店主は、以下8つの道具を使っています。- ditting コーヒーグラインダー
- 細口コーヒーポット
- コーノ ドリッパー
- コーノ 純正フィルター
- コーヒービーカー
- デジタルタイマー
- デジタル温度計
- デジタル計量器
普段からコーノドリッパーを使います。
違う味わいを確認するために『カリタドリッパー・山形ロシ用』や『ハリオV60』を使ったりもします。
» ハンドドリップ用の器具10点をご紹介
挽き具合を確かめるための抽出設計
- お湯 150cc
- コーヒー粉 10g
- お湯の温度 91℃
- 粉と水(お湯)の比率は 1:15
注ぐお湯の温度は、高めの91度にします。コーヒー粉に触れたときの温度を90℃にしたいからです。
挽き具合を確かめるための
コーヒーの淹れ方
コーヒーの淹れ方
1回目のお湯を注ぐ ドリッパーとサーバーをデジタル量りの上に置き、目盛りをゼロ設定にしましよう。 ここからの注ぐお湯の量は、デジタル量りの目盛りを頼りにするからです。 注ぐお湯は、細い素麺を想像してください。 注ぐお湯の量は、20ccです。 お湯の注ぎ方は、コーヒー粉の全体に均一になるように、サッと回し掛けます。 コーヒー粉にお湯を20cc注ぐのは、お湯がコーヒー粉に弾かれるのを防ぐためです。コーヒー粉にお湯を均一に浸透させたり水路を作らせないためでもあります。 お湯20cc注いだ直後に、つぎのお湯を注ぐ準備をします。『直後に』と言うのは、お湯の注ぎ方を変える時間1~2秒を取っています。 | |
蒸らしは無し 粉を蒸らす時間を取れば、コーヒー液の温度は、下がります。温度が下がれば、水の粘性は上がり、コーヒー成分を抽出する量も下がります。水の粘性が上がれば、コーヒー液の落ちは悪くなるのです。 水はコーヒー粉と仲が悪いので、均一に浸透しません。浸透しなければ、水路ができるので局所的な過抽出になります。 このような理由のため挽きめ本来の味がわからなくなるから、蒸らしは無しです。 | |
2回目のお湯を注ぐ 注ぐお湯の太さは、素麺を想像してください。 お湯を20cc注いだあと、すぐに つぎのお湯を130cc注ぎます。 お湯の量は、これで150cc。 デジタル計量器の目盛りが150gになれば、ドリッパーを外します。 コーヒー液は、落としきりません。 注意点とコツ コーヒーポットからお湯を注ぐ高さは、お湯が懸濁液に当たり、お湯の飛び散るような音が聞こえる位置より少し低い位置のところです。つまり、1つの流れからお湯が割れる直前の位置になる。高さにして3㎝。お湯を注ぐ位置は、粉の真ん中。 お湯の注ぎ方は、真っすぐ落とす。 懸濁液の高さは、抽出の終わりまで維持する。 お湯は、グルグル回さない。お湯を回せば、コーヒー液の質感が上がり、挽きめ本来の味がわからなくなるからです。 コーヒーベッドの縁には、お湯を掛けない。 | |
挽き具合を確かめる これで挽き具合を確かめるための抽出は完成しました。 ここから、あなたの好みの挽き具合なのかコーヒーを試飲してください。 コーヒーの試飲は、吟味すればするほど時間が溶けていきます。 あまり悩まないで、直感で回答すればいいです。 味覚は体調により変わるし、明日になれば味覚の感じ方も変わるからです。「明日、もういちど確認するから いまのところはこのくらいの挽目でいいかな。」とこんな具合でいいですよ。 もしも味が好みでなければ『挽き具合を確認する手順』へ戻り、再度チャレンジしてください。 |
このように注ぐとお湯の流れは、粘性が少ないスムーズな流体になります。
懸濁液の温度は、抽出の終わりまで85℃くらいを保てるので、コーヒー成分もよく出ます。
粘性が少ない流体は、苦味や渋みも出にくく、透明感のある味わいになります。
透明感のある味わいであれば、挽き具合があっているのかがわかるのです。
お湯が均一に流れ、懸濁液の透過が始めから終わりまで変わらないようにすればいいわけです。
透明感のある味わいであれば、挽き具合があっているのかがわかるのです。
お湯が均一に流れ、懸濁液の透過が始めから終わりまで変わらないようにすればいいわけです。
店主は、透明感のある味わいを基に挽き具合を確かめているので、この『シンプルなコーヒーの淹れ方』を採用しています。
まとめ
ここまで、コーヒー豆の挽き方と挽き具合の確認方法を覚えていただくために解説してきました。コーヒー豆の挽き方は、粗挽きから細挽き方向へ調整するのが基本でしたね。さらに、店主が実践する挽き具合の確認方法もお伝えしました。
ぜひ、この方法を実践してください。
実践すればコーヒー豆が変わっても、挽き具合は あなたの好みにあうはずです。
本稿を活用し、あなたにピッタリの挽き具合で美味しいコーヒーを飲んでください。
覚えた知識にくわえて『渋みが少ないコーヒーの淹れ方』の記事もお読みください。
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