2023.08.04 更新
- 渋みが少ない淹れ方を知りたい
- ペーパードリップの淹れ方を
教えて - どんな道具を使えばいいの?
お湯の注ぎ方を失敗すれば『紙フィルターの目詰まり・迂回するお湯・濾過不足』により、渋みが入り美味いコーヒーが飲めません。
本稿では、渋みを感じにくいコーヒーの淹れ方について、’99年からコーヒーを淹れ続ける店主の方法を解説します。
この記事を参考にすれば、あなたは渋みがないコーヒーが飲めます。さらに、店主が使う道具10点もわかります。
お湯を注ぐときは、コーヒー粉にお湯を均一に流す方法がわかります。
厚くて平らで微粉に邪魔されないコーヒーベッドを保つお湯の注ぎ方も覚えられます。
厚くて平らで微粉に邪魔されないコーヒーベッドを保つお湯の注ぎ方も覚えられます。
渋みを出さないコツは『渋みをしっかり濾過する』と覚えておけばOK!!
今後、美味しいコーヒーを飲みたいと思っているならば、90℃以上のお湯で淹れても渋みが出ない注ぎ方を覚えてくださいね。
目次
店主が使うコーヒーを
淹れる道具10点
店主が使う道具は、オシャレなものや最新のものでもありません。実用的で壊れにくい道具を使っています。
どの道具も手に入りやすいです。
URLをお伝えしておきますから、詳しくは読んでください。
ただ、店主が使うコーヒーグラインダーだけは、高価なので家庭向きではないですよ。∑(O_O;)
» 【ハンドドリップ用の器具10点をご紹介】必要な入門道具一式を珈琲専門家が伝える
淹れるまえの準備
ここでは、店主が実践する、淹れるまえの準備をお伝えします。コーヒーを淹れるまえに、お湯を沸かすコーヒー粉を挽くなど さまざまな準備をシッカリしましょう。
3つの前準備
- 飲みたいコーヒーの量を決める
- 基本のレシピを決める
- 何回にわけてお湯を注ぐのか決める
飲みたいコーヒーの量を決める
120ccコーヒーカップもしくは、250ccマグカップで飲みたいのか決めます。飲みたいコーヒーの量が決まらなければ、基本のレシピも決まりません。料理と同じで、最初に決めてくださいね。
基本のレシピを決める
基本のレシピは「浅煎りを120ccコーヒーカップで飲む」としましょうか。- 120ccカップで飲むレシピ
- お湯 150cc
- コーヒー粉 10g
- コーヒー粉 粗挽き
- お湯の温度 96℃
- 粉と水(お湯)の比率は 1:15
» 粉が水を含む量を考える
コーヒー粉は、粉自身の2倍の水を吸い込みます。
コーヒー粉に含まれる水の量は
10g/粉 × 2 = 20cc/水
コーヒーができる量は
150cc – 20cc = 約120~130cc
コーヒー粉は、粉自身の2倍の水を吸い込みます。
コーヒー粉に含まれる水の量は
10g/粉 × 2 = 20cc/水
コーヒーができる量は
150cc – 20cc = 約120~130cc
お湯の温度は、96℃です。
手元の温度を+1℃高い96℃にしておけば、お湯が粉に触れたときの温度は1℃くらい低くなり95℃になるからです。
抽出中の懸濁液のなかの温度は、お湯を注ぎ終わるまで90℃くらいを保てるので、店主は96℃のお湯で淹れています。
お湯150ccの注ぎ方を決める
お湯を注ぐ手順7つ
- お湯 20cc 注ぐ / 均一に浸透させる
- お湯1回目 30cc 注ぐ
- 懸濁液が ¼ 減るのを待つ
- お湯2回目 50cc 注ぐ
- 懸濁液が ¼ 減るのを待つ
- お湯3回目 50cc 注ぐ
- お湯を落とし切らず、すぐにドリッパーを外す
このように、レシピをどうするのか店主はハッキリと決めます。
テキトーに決めていると、途中で注ぎ方がブレます。
コーヒー豆の焙煎度合いや銘柄が変わっても、基本レシピは変わりません。
ほかの豆と比較するときに、基本レシピを同じにしなければ、違いがわからないからです。
コーヒーを淹れる直前にする
作業3つ
- 注ぐためのお湯を沸かす
- コーヒーカップを温める
- コーヒー豆10gを粗挽きに挽く
それぞれの方法は、以下URLから詳しく読んでください。
»【コーヒーカップの温め方と湯煎方法】注意点3つを珈琲専門店が教える!!
» コーヒー豆の挽き方と挽き具合の確認方法【珈琲歴24年のプロが解説】
渋みを濾過するコーヒーの淹れ方
- 渋みを濾過する手順9つ
- さらに渋みを出にくくする
方法3つ
ここから、店主が実際にやっている渋みをシッカリ濾過するコーヒーの淹れ方を解説します。
ただし、渋みがまったくないコーヒーができあがるのではありません。ひとが飲んでもわからないほど渋みが少ないだけですから、勘違いしないようにしてくださいね。ここは、日本茶と同じですね。
ちなみに、渋みをすべて抜くと、バランスの悪いコーヒーになりますよ。
渋みを過剰に出さないためには、厚みのあるコーヒーベッドを作り、紙フィルターも目詰まりさせないようにするのがポイントです。
渋みを濾過する手順9つ
1回目のお湯を注ぐ ドリッパーとサーバーをデジタル量りの上に置き、目盛りをゼロ設定にしてください。ここから注ぐお湯の量は、デジタル量りの目盛りを頼りにするからです。 注ぐお湯の細さは、3mmスパゲティーを想像してください。 注ぐお湯の高さは、店主が使うポットならば、下から3㎝の高さ。 3㎝の高さから注ぎ回せば攪拌力が強く、コーヒー粉全体にお湯が染み渡ります。 注ぐお湯の量は、20ccです。 ここでは、蒸らす時間は取りません。 お湯の注ぎ方は、コーヒー粉の全体に均一になるように、サッと20ccを回し掛けます。 回し掛け方は、コーヒー粉の中心から外に向かってお湯を注ぎます。粉は中心ほど厚みがあるので、お湯が染み渡りにくいからです。ただし、ドリッパーによります。 この段階では、コーヒー粉の縁に少しくらいお湯が掛かってもいいですよ。 コーヒー粉にお湯を20cc注ぐのは、お湯がコーヒー粉に弾かれるのを防ぐためです。コーヒー粉にお湯を均一に浸透させたり水路を作らせないためでもあります。 乾いたコーヒー粉は、どのくらいお湯が染み渡りにくいのか想像しやすいように参考記事をご紹介します。 記事中の動画をご覧ください。 » 注ぎ方でコーヒー粉を流動化さする | |
蒸らしは無し 店主は、基本的に蒸らしをしません。 ただ、異なる趣の味を出したいときは、蒸らしをするときもあります。 | |
2回目のお湯を注ぐ お湯は、素麺のような細さにする。 お湯を注ぐ位置は、粉の真ん中。 お湯の注ぎ方は、真っすぐ落とす。 コーヒーポットからお湯を注ぐ高さは、お湯が懸濁液に当たり、飛び散るような音が聞こえる位置より少し低い位置のところです。つまり、流れ落ちるお湯が割れる直前の位置。 » プラトー・レイリー不安定性 お湯は、グルグル回さない。 コーヒーベッドの縁には、お湯を掛けない。 このStep3で後述する『好みの濃さにする3つの方法』を使えば、コーヒーが濃くなる。 コーヒーポットの口を上げる高さは、流れ落ちるお湯が割れる直前の位置までです。この位置こそ攪拌力がもっとも強く、ドリッパーの底付近まで無垢のお湯を届かせます。 この位置は、店主のポットだと3㎝の高さです。コーヒーポットの形状により、高さが変わります。 お湯は、素麺のような細さにする。ドリッパー底の紙フィルターに当たるまでお湯を届かせないためです。この細さのお湯ならば、コーヒーベッドを深く掘りません。 さらに、コーヒーベッドから懸濁液が溢れ出して、紙フィルターの外へ迂回しにくくなります。 懸濁液の流れをスムーズな流体にするためには、お湯を高すぎる位置から注いではダメです。なぜなら、攪拌力が下がり、ドリッパーの底付近まで新鮮なお湯が届かないからです。さらに、懸濁液がコーヒーベッドから溢れ、微粉をドッリパー側へ流して紙フィルターの目を詰まらせます。 さらにもうひとつ、ドリッパーの底の流れは層流になるので、微粉が沈殿します。沈殿した微粉は、紙フィルターの目詰まりを引き起こし、透過速度が遅くなります。 透過速度が遅くなれば、液体は出にくくなります。そのため液体は、別の通過しやすいところから出ます。通過しやすいところとは、コーヒーベッドを乗り越えて迂回する流れだったり外へ通じる水路だったりします。この水路と迂回こそ、あなたの嫌いな味が出る原因のひとつなのです。 お湯をグルグル回せば、攪拌力が増し、コーヒー成分が多く出ます。お湯を回す回数を増やせば、コーヒーベッドの濾過能力を超える渋みが出てしまいます。 あなたの嫌いな渋みを少なくするためには、お湯を高過ぎる位置から落とさず、お湯を過度にグルグル回さなければいいわけです。 コーヒーを濃くしたければ、お湯が割れる直前の位置から注ぎ、高攪拌でスムーズな流体を作ればいいわけです。少し多めのお湯を注いだり、注ぐ回数を増やすのも有効です。 後述するコーヒーが好みの濃さに近づく3つの方法を読んでください。 補足 お湯の細さは、ただ「細くする。」と思うだけではなく、細い物を想像してください。想像すれば、身体が反応します。実際にお湯が細くならなくても身体は努力するものです。素麺は難しいかもですが5mmスパゲティーくらいには細くなりそうですね。 身体がしっかり反応するためにも、素麺の細さをイメージして注ぐのはオススメです。 粉を蒸らす時間を取れば、時間に比例して懸濁液の温度は下がります。温度が下がれば粘性は上がり、コーヒー成分が引き出される量も減ります。 蒸らしをしているあいだ、お湯は均一には浸透しません。お湯は、コーヒー粉と仲が悪いからです。均一に浸透しなければ、水路ができるため偏ったコーヒー液の流れになり、味に影響します。水路は、チャネリングとも呼ばれています。 コーヒー液の温度が下がるのと偏った流れになるので、店主は蒸らしをしないのです。 ちなみに、蒸らしをしなければ、懸濁液内のお湯の温度は90℃台を保ちます。蒸らしをすれば、85℃以下になります。ただ、蒸らす時間とお湯の温度によります。この温度は、店主が実験した結果です。 コーヒー粉の真ん中に真っすぐお湯を注げば、きれいな流体になりますよ。 蒸らしをしないのでお湯の温度も高く、粘性も少ないです。粘性が少ない流れは、過剰な苦味や渋みも出にくいです。 さらに、お湯を素麺の細さで真ん中に真っすぐ落とせば、コーヒーベッドも過剰に掘りません。濾過能力も維持でき、コーヒーベッドの厚みを保ちます。 渋みが少なく、透明感のある味わいになるのです。 一方、お湯を過剰にグルグル回せば濾過能力を超える渋みが出ます。高過ぎる位置からお湯を注げば、コーヒーベッドから懸濁液が迂回し微粉をドリッパーの縁へ押しやります。そうなれば、紙フィルターの目詰まりが発生する要因になるのです。 コーヒーベッドから懸濁液が漏れ出すいちばんの原因は、縁にお湯を掛けるからです。原因の二番目は、お湯の注ぎ過ぎにあります。細かい原因を書けば、まだあります。(-_-) これらの原因により、懸濁液が漏れ出せば、懸濁液はコーヒーベッドを迂回する流れになります。迂回する流れは、微粉を運び、紙フィルターの外に出ようとする不均一な流れになります。 この迂回する不均一な流れは、懸濁液が濾過槽の役目をするコーヒーベッドを通過しないので、渋みがコーヒーカップに混入します。 この流れで運ばれた微粉は、紙フィルターの目も詰まらせるのです。 好みの濃さにする3つの方法
» 注ぐお湯の量を分割する 1つめは、お湯の注ぐ量を分割するほどコーヒーは濃くなります。 » コーヒー抽出の前半に合計50cc注ぐとして、濃くする注ぎ方を2つ紹介。 1・20cc + 15 + 15 = 50cc 2・20cc + 10 + 10 + 10 = 50cc 注ぎ方1よりも2のほうが分割する数が多いので濃くなります。 さらに、濃厚具合を増したいのであれば、こう分割します。 20cc + 5 + 5 + 5 + 5 + 5 + 5 = 50cc 実践してみれば、濃くなるのがわかると思います。ただ、透過速度が遅くなり、予想外の水路ができて局所的な過抽出になったりします。 » 高い位置からお湯を注ぐ 2つめは、お湯を高い位置から注ぐ方法があります。 この方法は、コーヒーポットの注ぎ口を懸濁液よりも高く上げます。高さは、お湯が懸濁液に当たり、お湯の飛び散るような音が聞こえる位置より少し下げたところです。つまり、飛び散る音が聞こえなくなる位置になります。 この位置から注げば、コーヒーベッドの貫通力が強くなります。 貫通力が強くなれば、懸濁液は乱流になります。流れは速く伴流も発生し、多くのコーヒー粉が引き込まれます。すべてのコーヒー粉がお湯に触れるようになり、コーヒーは濃厚になるのです。 お湯が割れず飛び散る音が聞こえなくなる位置は、使用するコーヒーポットにより違います。割れる位置は、目視ですぐにわかりますから、いちど確かめてください。 » 注ぐお湯の量を変える 3つめは、注ぐお湯の量を変えるのも有効です。 お湯の太さを5mmスパゲティーくらいにして注いでもらえば、お湯が多めに投入されます。さらに、お湯が太くなれば、注ぐ高さはもっと上げられるので、懸濁液も乱流になり、すべてのコーヒー粉に新鮮なお湯が届きます。 このように、注ぐお湯の量を変えただけでもコーヒーは濃くなるのです。 ここまで、3つの方法をご紹介しました。どの方法もやり過ぎはダメですよ。やり過ぎれば、紙フィルターに微粉が付着し、目詰まりを起こすからです。 | |
1回目のお湯を落とし切らない 1回目でお湯20cc + 30cc = 50cc 淹れた。このお湯50ccは落とし切らない。 懸濁液が ¼ 減るのを待つ。 これで、微粉に邪魔されない厚みのある平らなコーヒーベッドになっている。渋みがカップに入りにくくなる。 | |
2回目のお湯を注ぐ 懸濁液が ¼ 減るのを待ってから、2回目のお湯50cc注ぐ。 ここまでのお湯の量は、100cc。 注ぐお湯の太さは、素麺のような細さ。 お湯を注ぐコーヒーポットの位置は、お湯が割れる位置のすぐ下の位置。 お湯の注ぎ方は、コーヒー粉の真ん中に真っすぐ注ぐ。 注ぐお湯の量と出ていくコーヒー液の量を同じにする。 注ぐお湯の量と出ていく量を同じにします。同じ量にしないと、2つの不具合が起きるからです。 1つ目は、注ぐ量が多ければ、コーヒーベッドからお湯が溢れて、紙フィルターへ微粉を運びます。2つ目は、お湯が少なければ、コーヒーベッドの中心に穴が開き、周囲が高くなります。 高くなった周囲には、新鮮なお湯が行き渡りません。不均一な流れにもなり、局所的過抽出を起こすのです。 | |
2回目のお湯は落とし切らない 落としきれば、コーヒーベッドが沈むので、落とし切らない。 コーヒーベッドが¼沈んだら、最後の50ccを注ぐ。 『¼沈む』のサインを見落とさないように、観察する。 2回目のお湯を落としきると、コーヒーベッドが沈み穴が開きます。この穴は深く、コーヒーベッドの温度も下がるので、急いでお湯を注ぎ埋めるようになります。 急いでお湯を注げば、流れも速く貫通力も強いので、スムーズな流体になりません。この強い貫通力は、コーヒーベッドをさらに削るのです。 『¼沈む』のサインを見落とさないように、観察してください。 | |
3回目のお湯を注ぐ 懸濁液が ¼ 減るのを待ってから、3回目のお湯100CC注ぐ。 注ぐお湯の太さは、素麺のような細さ。 これでお湯の量は、150ccになった。 お湯を注ぐコーヒーポットの位置は、お湯が割れる位置のすぐ下の位置を保つ。 お湯の注ぎ方は、最後までコーヒー粉の真ん中に注ぐ。 注ぐお湯の量と出ていくコーヒー液の量を同じにする。コーヒーベッドの縁をじっくり観察して、こう対処する。
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3回目のお湯は落としきらない 最後の3回目のお湯は、落としきらない。 3回目のお湯を注ぎ切り、デジタル量りが150ccになれば、直ぐにドリッパーをサーバーから外す。 懸濁液の流れが遅く不均一になり、渋みがコーヒーカップに入ってしまうからです。 | |
これで完成です ここまでで、基本のレシピ通りに淹れた1回目のコーヒーができあがりました。 試飲して「ゆるせる渋みなのか。」と考えてくださいね。 あなたの許容範囲を超えた渋みがあれば、抽出が終わったあとのコーヒーベッドをじっくり観察してください。
観察が終わったら、2回目、3回目と再度チャレンジしましょう。意図を持って練習すれば、コーヒーに渋みが入るのが少なくなりますよ。 |
【まとめ】コーヒーベッドで渋みを濾過する
クロロゲン酸類などの収斂性化合物が渋味のもと。これらを少なくするためには、コーヒーベッドと紙フィルターの濾過能力を維持することです。
濾過能力を維持するには、お湯が均等に流れる厚くて平らで微粉に邪魔されないコーヒーベッドを作ればいいわけです。
さらに、きれいな流体により作られたコーヒーベッドは、微粉による紙フィルターの目詰まりが少なく、紙フィルターの外へ迂回するお湯も避けられるのです。
このような注ぎ方のコツを掴めば、あなたはコーヒーを飲んだあとのイガイガ渋みの余韻から解放されますよ。
言葉の意味定義
» 迂回して落ちるとは、何ですか?コーヒーベッドを通過しない懸濁液やお湯が落ちる現象です。
通過しないつまり、迂回して落ちるのですから、濾過されないコーヒー成分がコーヒーカップに入るのです。迂回を英語で『バイパス』と言います。
» 懸濁液とは、何ですか?
『懸濁液』とは、コーヒー液体中に極小さい固体微粒子が分散したものです。具体的には、粘土や泥水などです。これらは長い時間かけて放置すれば、微粒子は沈降します。» コーヒーベッドとは、何ですか?
お湯の流れにより、コーヒー粉でできた層のことを『コーヒーベッド』と言います。お湯を注ぐたびにコーヒー粉が攪拌されて、ドリッパーの底に溜まったり側面に付着したりします。さらに渋みを出にくくする
方法3つ
- 注ぐお湯の温度を下げる
- コーヒー豆を粗挽きにする
- 抽出時間を短くする
ここでは、すぐに効果が出る渋みを出にくくする方法3つ解説します。
お湯の温度を測る『デジタル温度計』を使えば、渋みが少なくなる効果がわかりますよ。
注ぐお湯の温度を下げる
焙煎度合いにより95℃以上で淹れたコーヒーは、渋さが目立ったりします。それに対して、85℃くらいで淹れた深煎りコーヒーは、クロロゲン酸類などの収斂性化合物の渋さがなく、まろやかな味にビックリしたご経験があると思います。
渋み成分の収斂性化合物は、水に溶けにくく、お湯の温度を下げて抽出すれば、渋味と似た感覚の収斂味を感じません。コーヒーは薄くなく、コーヒーらしい濃さとまろやかな味わいもしっかりと出ています。
この現象を利用して注ぐお湯の温度を85℃くらいに下げれば、懸濁液の温度も下がり、渋み成分は抽出されにくくなるのです。
ただ、お湯の温度を下げれば、水の粘性は上がります。さらに抽出効率が悪くなり、香りも弱くなったりします。さらにもうひとつ、水の粘性が上がれば、透過速度も遅くなるのです。
渋みの感じた方は
ひとそれぞれ
ひとそれぞれ
- ひとにより93℃以上のお湯で淹れても渋みを感じなかったり、85℃くらいに下げてみても渋みを感じたりします。渋みの感じ方は、ひとそれぞれだからです。
さまざまなお湯の温度で注いでみて、渋みを感じない温度を探してください。
細かく挽かず粗く挽く
細かく挽き過ぎれば、コーヒー細胞が壊れて多くの収斂性化合物が放出されます。多く放出されれば、お湯がコーヒーベッドをどの経路で流れるかに関係なく、渋みでいっぱいのコーヒーになります。多すぎた渋み成分は、厚いコーヒーベッドでさえも、すべて濾過できません。
細かく挽かず粗く挽き、懸濁液に放出される収斂性化合物を減らせれば、渋みが少なくなるのです。
抽出時間を短くする
コーヒー成分の抽出に長い時間を掛ければ、収斂性化合物も多く放出されます。収斂性化合物が多すぎれば、すべて濾過できない理由は前述の通りです。
付け加えるならば、コーヒー粉を粗く挽いても抽出する時間の長さによっては、収斂性化合物が出過ぎたりします。
キッチンタイマーで計測しながら、もっとも渋みが少なく感じるあなた好みの抽出時間を探すしかないのです。
渋みを出さない練習に適した
浅煎りコーヒー豆
ここでは、本稿で使用した『浅煎りのコーヒー豆』を紹介します。-
- 果物感いっぱいです。ドライフルーツのような甘酸っぱい余韻が味わえますよ。
浅煎りカテゴリーのなかで決まった銘柄を販売しているわけではなく、月に2~3品ほど銘柄が入れ替わります。
» 商品ページへ
Amazonや楽天市場でも買えるの?
珈琲工房サントスのコーヒー豆は、Amazonや楽天市場では販売していません。ただ、姿かたちが似た浅煎りコーヒーならばAmazonなどにもありました。
いちど他の店舗の浅煎りコーヒーと価格や送料なども含めて比べてください。
» ほかの店の浅煎りも観てみますか。
比較する項目は、商品ページに標高が書いてあるかどうかです。
標高がわかれば、コーヒーの甘味やうま味が凝縮している商品かもしれません。甘味やうま味は、高い標高によるところが大きいからです。
商品詳細に標高が書いてあるものを選んでみてください。
まとめ
ここまで、渋みが出ないお湯の注ぎ方を解説しました。大切なことは『均一にお湯を流し、きれいな流体を作る』でしたね。『厚くて平らで微粉に邪魔されないコーヒーベッドを維持する注ぎ方』も必要でした。
店主が考える渋みを少なくするポイントは、濾過能力をいかに維持するかです。
- コーヒーベッドを壊さない
- 紙フィルターの目を詰まらせない
- 長い時間を掛けてコーヒー成分を抽出しない
濾過能力を保つ方法3つ
ただ、注意しなければならない点が2つあります。
- 1つは、使用しているコーヒーグラインダーは、微粉が少なく、家庭用よりも優れている点。
- 2つ目は、この方法の検証は、店主の味覚でおこなっています。
店主が「これなら渋み出ないぞ」と思っても、ひとにより「渋みがあるが—。」となったりします。(^_^;)
渋みの感じ方は、ひとそれぞれです。
店主の味覚と同じにするとなれば、しばらくのあいだ店主と同じ食生活にしなければなりません。(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/
さらに、店主が使っている道具と同じものを使い、淹れ方も同じにしなければなりません。
これは、なかなか難しいですよね。
ぜひ、本稿を活用し、渋みが少ないコーヒーを飲んでください。
覚えた知識を使って、あなたの興味のあるコーヒー豆で練習してみてくださいね。
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