2023.04.26 更新
コーヒー粉の蒸らし方やお湯の注ぎ方、お湯を注ぐ量とスピードなどについて、カリタドリッパー101や102を使い練習してきたことでしょう。カリタドリッパー101や102の学び方としては、雑誌や書籍、それからYouTubeなどさまざまだと思われます。けれども、なぜか「好きなコーヒーの味にならない。」と半分あきらめていませんか?
それもそのはず、想像するコーヒーの美味しさにならないのは、YouTubeや雑誌の良いところだけを切り取って練習しているからなのです。
切り取り練習は一貫性がありません。練習量も足りないとなれば、諦めたい気持ちにもなります。
なぜ私に、この良いとこどり練習や練習不足がわかるのでしょうか?
私は1999年にコーヒー専門店を開業してから現在もカリタドリッパーの練習と研究を続けているからです。
過去には、あなたと同じ良いとこどり練習したために、コーヒーの淹れ方で挫折したことは両手で数えても足りないくらい—。
そこで「もういいや。テキトーで。」といった体験を繰り返して欲しくないので、カリタドリッパー歴24年の店主が詳しく解説します。
カリタドリッパーに限って練習すれば、15日から30日くらいで上手になります。
ただし、個人差はありますよ。
本稿をお読みいただければ、どのようなイメージでお湯を注げば良いいのかがわかります。
お湯を注ぐコツとお湯の温度もわかりやすく解説していますから、習得さえすれば、あなたは美味しいコーヒーが飲めます。
お湯を注ぐコツとお湯の温度もわかりやすく解説していますから、習得さえすれば、あなたは美味しいコーヒーが飲めます。
本稿を読み終えたあとには、鮮度の良いコーヒー豆はどんなものなのかを知ってください。
新鮮な豆で練習しなければ、本物の味がわからず「この味で正解なのか。」がわからないからです。
やる気が出るオススメの練習方法は、あなたの興味のあるコーヒー豆で淹れてみるのがいいですよ。
カリタドリッパーを使う
注意点とコツ

注意点
カリタドリッパーに素麺のような細さでお湯を注いだときに、細かい泡がたくさんできることこそが注意点でもありコツなのです。コーヒーのおいしさの決め手は、細かい泡によって粉が膨らむと言っても言い過ぎではないと店主は考えています。
泡のでき方で失敗がわかります。
- お湯が熱過ぎた結果、粗くて大きな泡ができてしまい粉が膨らみ過ぎて割れる。
- コーヒー粉が古過ぎた結果、泡が少ないどころか粉がほとんどまったく膨らまない。
具体例2つを挙げます
お湯の温度でも失敗したりします。
- 高過ぎる温度ならば、強い苦味やエグ味、金属味も出る
- 低過ぎる温度ならば、酸味や塩味が目立つようになる
具体例2つを挙げます
美味しくするコツ3つ
- 素麺の細さを想像してお湯を注ぐ
- お湯が細く途切れない状態を30秒ほど保つ
- お湯を落としきらない
最後までお湯を落としきらないので、出過ぎた味が入らず、あなたは美味しいコーヒーが飲めるのです。
お湯の注ぎ方が上手くいかないのは、30秒ほど細く途切れない状態を保てないからです。
もっと言えば、お湯が左右にブレながらつぎのドリップ動作に移ろうとするから、予想外のところへお湯を掛けてしまうのです。
30秒間とまって細く注ぎ続ける状態ができれば、見違えるほど上達しますよ。
初心者でも失敗しない淹れ方


必要な道具は、コーヒードリップポットとコーヒーサーバーもしくは、コーヒーカップ。
メジャースプーン・ペーパーフィルーター・コーヒードリッパー・湯沸し用ケトルも準備してくださいね。
正しく10g計量できるメジャースプーンを選んでください。
» メジャースプーンの解説
道具を温めよう
コーヒーカップとサーバーをお湯で温めます。ドリッパーが陶器ならば、忘れずに温めましょう。
» 【コーヒーカップの温め方と湯煎方法】注意点3つを珈琲専門店が教える!!
ペーパーフィルターの折り方
まず、ペーパーフィルターのシール部分(底と側面)を、同じ方向に折ります。つぎに、コーヒードリッパーを水で濡らし、わかずかにつくていど水滴をつけます。フィルターをドリッパーから離れないようにしたいからです。
最後に、フィルターをドリッパーに押し当てれば、ドリッパーに張り付きますよ。フィルターについた水滴は『糊』の役目をしてくれるのです。
ペーパーフィルターには、水をかけてもいいです。
ただし、空気の逃げ道をふさがないようにしてくださいね。
コーヒー豆10gを挽く

粉の挽き具合の基本は「粗挽き~中挽き」がいいかなと店主は思っています。
あなたが美味しいと思えればいいわけなので、店主の考えよりも、あなたが美味しいと感じる挽き具合でいいですよ。
そもそもコーヒーの挽き具合は自由なのですから。
» コーヒー豆の挽き方と挽き具合の確認方法【珈琲歴24年のプロが解説】
紙フィルターにコーヒー粉を入れる
コーヒー粉を入れたら、コーヒー粉が平らになるようにドリッパーをゆすりましょう。ゆすり過ぎれば、細かい粉が下側へ移動してしまいます。
4~5回ゆすればいいですよ。
お湯の準備をする
お湯を沸かすためのケトルを使って、お湯を沸騰させます。細口ドリップポットにお湯を移し替えます。
移し替えたお湯は温度が高いです。
1~2分 放置してお湯の温度を下げましょう。
お湯の温度、85~90℃まで湯温を下げます。
深煎り豆は、85℃以下の温度。
浅煎り豆は少し高めの90℃。
ただ、あたなの好みにもよります。
湯温計があれば、すぐに温度がわかるので便利です。
なければ、90秒ほど掛けてお湯を冷ます。
コーヒーの杯数により時間が掛かったりします。
お湯の温度は、気にかけてください。
とても神経質にならなくても良いです。
ただし、熱湯を注げばコーヒー成分が多く出るので、美味しくないかもしれません。
ひとの好みもさまざまです。
コーヒー粉に、熱湯を注いでみるのもいいですよ。
お湯を注ぐ手順

1湯目
湯柱を極細くして、お湯をコーヒー粉の中心部分にそーっと乗せていきます。お湯の注ぎ具合は、コーヒー粉が全体に湿るくらいでいいですよ。
注ぐお湯の量は、下のサーバーにコーヒー液がぽたぽた数滴おちるていどでいいです。
» ポイント
- お湯はペーパーフィルターの縁には絶対に掛けない
- コーヒー液が数滴ほど落ちなければ、コーヒー粉全体にお湯が染み渡っていない
- 肘を固定し手首を使い、お湯をコーヒー粉に乗せるというイメージで注ぐと上手く
大切なのは『お湯をコーヒー粉にのせる』というイメージ。
試しにお湯を注ぐイメージを『のせる』から『注ぐ』に変えてみてくたさい。『注ぐ』に変わったとたんにお湯がたくさん出がちになり、薄いコーヒーができあがるでしょう。
反対に『お湯をのせる』イメージに変えればどうでしょうか。
『お湯をのせる』に変えれば、「お湯をそ~っと乗せる動作に移れ」と脳が命令を出します。身体の動作も脳からの命令を受けて反応します。
お湯が極細く出るようになるのです。
言葉の持つイメージひとつでお湯が出せる量が変わるもの。
コーヒーが薄まるのを防いでいるのですね。
» お湯を注げばコーヒー粉が膨らむ

粉がお饅頭のように、ゆっくりとふくらんでいきます。
画像のように、ふくらんでくれば新鮮な証拠。
このように、コーヒー粉を30秒くらい蒸らしてください。
手元に秒針が付いた時計があれば便利です。
2湯目

2湯目は、1湯目と同じ分量のお湯を細く注いでいきます。お湯を中心部から外側に向けて、”の”の字を書くように広げていきます。
» ポイント
- 肘を固定し、肘から先で”の”の字を書くようにする
- お湯は粉に近い位置で注ぐ
- お湯はドーナッツの穴の中に注ぐイメージ
- お湯はペーパーフィルターのふちには絶対に掛けない
3湯目
そして、すぐに3湯目のお湯を注ぎます。コーヒーのおいしい成分は、このあたりで出てしまいます。
濃い口のコーヒーがお好きな方は、細く注ぐを繰り返してください。
あっさりとした味がお好きな方は、湯柱を5㎜程度に太くしてお湯を注ぎましょう。
ただし、雑味の原因になりますから、お湯は最後まで落とし切りません。
4湯目
湯柱を5㎜程度にし、お湯を注いでください。コーヒー粉のなかのお湯が、半分減ったら半分足す感じです。
湯面の上げ過ぎに注意。渋みの原因の1つ。
5湯目
コーヒー液が人数分できるまで、ここを繰り返してください。人数分できましたら直ぐにサーバーから外してください。
なぜなら、ドリッパーのなかは、過度に出過ぎた味である雑味でいっぱいだからです。
これで、完成です。
よくある質問
Q・「最初、蒸らすときに、少しサーバーに出てきてしまうのを防ぎたい。」A・蒸らしのときに出る、少しポタポタ落ちるコーヒー液について解答
少しポタポタ落ちるコーヒー液の中には、あなたの嫌いな成分であるアク・雑味が入っています。
・アクが嫌いな人は、ポタポタ落ちるコーヒー液を入れない。
・アクが好きな人は、ポタポタ落ちるコーヒー液を入れる。
・アクが好きな人は、ポタポタ落ちるコーヒー液を入れる。
アクを入れると、コーヒーの個性が主張されます。
反対に入れないと、透明感・クリアな味わいになります。
どちらが良いかは、人の好み・嗜好によります。
興味があれば、ポタポタを入れる or 入れないの実験をすると、わかります。
A・お湯を掛ける範囲は全体です。
粉を蒸らすためのお湯を最初に、注ぎます。
お湯を注ぐときは、粉全体が染み渡るくらい。粉全体が染み渡ってくると、ドリッパーからポタポタと数滴、コーヒー液が落ちてきます。
コーヒー液が、ポタポタと数滴落ちてくるのが、蒸らすときに必要なお湯の正解量。反対に、コーヒー液がドバーっと落ちてくれば、注ぎ過ぎで失敗ですよ。
粉がお饅頭のように “ぷっくら” と、最高に膨らんだ状態が蒸らし終了のサインです。
蒸らしが終わると、コーヒー抽出を開始。
コーヒー粉の中心部分から “の” の字を書くように、お湯を極細くして外周へ向けて注ぎます。
A・注ぐときに、円周をなぞらない。粉の中心部分から “の” の字を書くように、円を外周に向けて広げます。
お湯を注ぐ範囲は、外周を除くすべてです。
中心部分を重点的に “の” の字を書くようにお湯を注いでいくので、中心部分がくぼんできます。くぼむと外周部分は、コーヒー粉の土手のようになります。
コーヒー粉は、土手のようになるのが正解です。ならなければ粉が古く酸敗 進行中。
コーヒー粉の土手は濾過層の役割をしています。
注がれたお湯は濾過層を通過し さまざまなコーヒー成分を濾過します。
外周部分であるコーヒー粉の土手には、絶対にお湯を注がないでください。土手にお湯を注ぐと濾過層が壊れます。
濾過層が壊れれば、コーヒーは渋みのある味わいになります。
注がれたお湯は濾過層を通過し さまざまなコーヒー成分を濾過します。
外周部分であるコーヒー粉の土手には、絶対にお湯を注がないでください。土手にお湯を注ぐと濾過層が壊れます。
濾過層が壊れれば、コーヒーは渋みのある味わいになります。
ドリッパーにお湯を注ぐ注意点とコツのまとめ
コーヒーハンドトリップの方法は、正しい”コーヒーの入れ方”はこれだ!!! と、言ったものはありません。粉の挽き方やお湯の温度、水の量やお湯の注ぎ方など、すべて自由です。
自由と言ってもコツがありますから、お伝えしますね。
- コーヒー粉を正しく量る
- 水の分量を正しく量る
- コーヒー粉は細かく挽き過ぎない
- お湯はの温度は調整する
- お湯は、ゆっくり細く注ぐ
- コーヒーができたらドリッパーを直ぐに外す
コーヒーが大好きであれば、ハンドドリップは、半月から1ヶ月も練習すれば上達するでしょう。
練習は、コーヒーを每日1杯入れるだけです。
日々の継続さらに訓練の積み重ねこそが、上手になるコツなのです。
ただ、個人差はありますよ。
諦めたら上手になりませんから、每日1杯そして15日~1ヶ月は続けてください。
一番のポイントは、諦めないコトでしょうか。
コーヒーの淹れ方は練習していただくと、どなたでも簡単に香り高いコーヒーが淹れられるようになります。
わからなければ、いつでもメールでお問い合わせください。
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