2021.08.27 | 2018.05.10 公開
アイスコーヒーの淹れ方や作り方がわからないと、美味しいアイスコーヒーが飲めません。
本稿では、アイスコーヒーの淹れ方と作り方を自家焙煎コーヒー店・店主が、わかりやすく解説します。
アイスコーヒーの作り方には、正解がありません。
なぜなら、いつも飲むコーヒーを冷やせば、アイスコーヒーになるからです。
「冷たくさえすればいいのか?」ですが、失敗しないアイスコーヒーの作り方はあります。
アイスコーヒーの作りが初めて方は、まずは、ポイントを学んでください。
アイスコーヒーを急冷するときは、サーバーの周りを氷で囲み、コーヒーを急速に冷やす方法を覚えておけばOKです!!
今後、安定した味わいのアイスコーヒーを作るためには、
3種類のアイスコーヒー豆が選べます
目次
アイスコーヒーの作り方
ここでは、家庭用コーヒーメーカーを使って解説します。コーヒーメーカーならば、水と粉の分量さえ間違わなければ、それなりにコクのあるアイスコーヒーになります。
作り方として、基本のセッティングをお伝えします。
まずは、基本を試してください。基本から少しずつ微調整を繰り返しながら、好きな味わいを抽出していく方法が近道だと店主は考えています。
基本のセッティング
コーヒーメーカーで2杯分のコーヒーを淹れるものとします。氷の上に抽出することなく、抽出したのちにサーバーの周りを氷で囲み急冷する方法です。
アイスコーヒー用 基本セッティング
- コーヒー豆は、20gにする
- 挽き具合は、ホットコーヒーのときと同じ挽目にする
- 水の分量は、給水栓にある2杯分の線の位置
この方法は、コーヒーを淹れ終わったあとから急冷する方法です。
ホットコーヒーを作るときのセッティングと変わらないので、同じ感覚でアイスコーヒーを淹れられますよ。
前準備
- ステンレスのボール
- コーヒードリップポット
- 二重茶こし
用意する道具は、3つ
アイスコーヒーを飲むときの準備もしておきましょう。
まず、アイスコーヒーグラスを水に濡らし、水滴を付けてください。つぎに、グラスを冷凍庫に入れて、キンキンに冷やしておいてください。
こうすると、グラスがキンキンに冷えるので、氷を入れる必要もなく、とても冷たく冷えたアイスコーヒーが飲めますよ。
■①豆を挽く
深煎りのアイスコーヒーに適したコーヒー豆をグラニュー糖位の大きさ迄、細挽きにしてください。
- コーヒー粉の量は、抽出する杯数分よりメジャースプーン1杯分多く入れます。
- 例)2杯作りたいときは、メジャースプーン(10g用)で3杯入れてください。
- コーヒー粉の量は、お好みにより加減してください。
■②コーヒーメーカーのスタートボタンを押す
コーヒーが薄くならないように注意。自家焙煎珈琲だとドリッパーから粉のあふれ出るのに注意をしましょう。
- 厚みのあるペーバーフィルターを使いましょう。
- 薄いコーヒーにならないためにも、給水目盛りを観てキッチリ水を入れてください。
■③コーヒー抽出後、コーヒーサーバーを取り出す。
- 二重茶こしをご準備してください。
- 100均の茶こしは目が粗い可能性があり不可。
- 熱伝導率の高いステンレスケトルをご準備してください。
ドリップしたてのアイスコーヒーを、二重茶こしで濾しながらステンレスケトルに移します。この一手間で、コーヒー粉微粉の混入を防ぐことができます。
■④氷を使いコーヒーを冷やす
- 適量の水を入れたボールをご準備してください。
- コーヒーを入れたサーバーを、ボールの中に入れます。
- サーバーの周りを氷で囲み、コーヒーを急速に冷やします。
氷を使い急冷すれば、良い苦味と香りが残ります。
氷作りが大変ならば、ペットボトルに水を詰めて凍らせて使ってください。保冷剤を利用してもいいですよ。
ペットボトルや保冷材は、再利用ができますから便利ですね。
■⑤アイスコーヒーを注ぐ
- 冷凍庫からキンキンに冷えたグラス取り出す。
- お好みで氷を入れる。
- 再度、茶こしで濾しながら注ぐと、より粉微粉が混入しません。
注意点3つ! 失敗する確率が高くなる
コーヒーは常温で冷まさない
アイスコーヒーをドリップしたのち、室内に放置して冷ましてはいけません。なぜなら、ゆっくりと自然に冷めながら、香りが抜けていくからです。
香り分子は、温度が高いほど早く飛び去ります。
「室内で放置してアイスコーヒーの粗熱を取ってから、冷蔵庫に入れよう。」とするのは、ゆっくりと冷めながら香りが抜けていくのと同じです。
この粗熱の取り方も、止めましょう。
豆を細かく挽き過ぎない
「よーく出ているな。濃すぎだな。」と感じたら、豆を細かく挽き過ぎて過抽出になっています。過抽出は、コーヒー成分が出過ぎると感じ始めるでしょう。
出過ぎを感じたときは、2つの方法で対応してください。
1つめは、挽き具合を大きくする。2つめは、コーヒー粉を減らす。
いずれかの方法を試せば、過抽出は解消されますよ。
コーヒー粉だけを多くしない
コーヒーが濃い割には酸が目立ったときは、未抽出になっています。コーヒー粉だけを多くして水の量が少ないと、コーヒー成分のひとつである苦味が十分に抽出されないまま終わり、酸が目立つようになります。
酸が目立つなと感じたら対応方法は、こうです。
コーヒー粉の分量を減らす。
粉の減らし加減は「どの程度 酸を感じるか」に寄ります。粉の分量を調整しながら、酸と甘味と苦味のバランスを取ってください。
もっと美味しくアイスコーヒーを飲む3つのコツ。
コツの1つ目
氷を入れたときにコーヒー液の薄まりを防ぐ方法としては、大きくて溶けにくい氷を選ぶのも良いです。コンビニで販売されている、ロックアイスが便利。家庭用の冷凍庫でもロックアイスはできますから、作ってみてはどうでしょうか。そして氷を入れるタイミングは、アイスコーヒーをグラスに注いだ後に、氷を入れることです。
そうすれば氷の溶け具合も、遅くなります。
アイスコーヒーを冷ます方法として氷を使う方法がありますが、珈琲工房サントスでは、この方法は採用していません。
なぜなら氷の上に熱いアイスコーヒーを直接ドリップをすると、コーヒー液がとても薄まるからです。
またコーヒー液が氷で薄まるのを防ぐために、いつもより以上に細かく挽きすぎて濃くドリップをすると雑味も多くなります。雑味がいっぱいのコーヒーは美味しくはありません。
コツの2つ目
アイスコーヒーは冷蔵庫で一晩ほど、味を落ち着かせるのが美味しくなるコツ。苦味が落ち着き味がもっとまろやかさになります。煮物を一晩ほど、冷蔵庫で寝かせるのと同じコトですね。
またアイスコーヒーを一晩、冷蔵庫に入れておけば、キンキンに冷えているはずです。だから飲むときに、あえて氷を入れなくても清涼感が味わえるでしょう。
そしてそのまま牛乳、豆乳を入れると、冷たいアイスカフェ・オ・レ、豆乳・オ・レの完成。簡単便利ですよね。
出来たアイスカフェオーレに甘みをつければコーヒー牛乳になります。だから、お子さんにも安心して飲ませますね。
あとで氷を入れるコトと、作り置きアイスコーヒーは良いコトがたくさん!!
コツの3つ目
実はアイスコーヒーのコスパは、とても良いコトをご存知でしたか?アイスコーヒーは2杯作る方法だと、コーヒー粉の分量は30g必要です。では大きい10杯用コーヒーメーカーだと粉が100g以上必要なのかというと、必要ではありせん。
珈琲工房サントスで推奨している、山型ロシを使用する10杯用コーヒーメーカーで作る場合は、アイスコーヒー粉が80gで良いです。
つまり粉の分量は100gに対して8掛けで良いのです。なので80gの粉でアイスコーヒーが1リットル出来上がります。
金額にすると、珈琲工房サントスのアイスコーヒーだと100g・310円(税別)ですから。
310円✕0.8(80g) = 248円
248円で、1リットルのアイスコーヒーが出来ます。コスパ抜群ですよ。
ただし、スーパーの激安広告との価格比較しては、ダメです。
価格では、勝てませんから。
アイスコーヒーの保存方法
アイスコーヒー保存の目的は、できるだけ脂質酸化を遅らせること。酸化の原因は酸素に触れて起こりますから、触れる機会を少なくすることです。理想の保存方法は、ガラス容器に口いっぱいまでコーヒーを入れて、冷蔵庫に入れること。
ガラス容器が良い理由は酸素を通さないからです。ペットボトルは酸素を通します。口いっぱいまで入れる理由は、可能な限りコーヒーに酸素を触れさせないためです。
だから昔からある、麦茶ガラスポットでも良いですよ。
ガラス容器がなければペットボトルですね。その際はコーヒーの量が保存容量にピッタリと合うのが理想的。
良くないのが、2リットル容器に300mlほどしか入れない場合です。これだと酸素も多く入っているのでコーヒー酸化が進みます。
今ではいろいろな容量のペットボトルがあります。例えば、1リットル、500ml、350mlなど、保存するには便利になりました。
そして冷蔵庫で保存。野菜室は冷却温度が弱いので、冷たいのが良ければ冷蔵室ですね。
アイスコーヒーの賞味期限
コーヒー豆から液体へと姿が変わっています。可能な限りお早めに消費してください。私の実験では、アイスコーヒーをガラス容器に口いっぱいまで入れて冷蔵庫で保存して7日後に飲んでも、味の変化は感じられませんでした。
が、この実験結果は、まったくアイスコーヒーの品質保証ではありません。わかったことはアイスコーヒーが酸素に触れる機会が少ないと、味の変質も少ないということです。
だから自己責任であなた様独自の保存期間を決めてくださいね。
ポイントは保存容器に口いっぱいまで入れること。そして早く飲み切ることです。
よくある質問

Q・「アイスコーヒーが薄く感じます。使っている抽出器具にあわせて、挽き具合の調整はできますか?」
A・大丈夫です。珈琲工房サントスでは、お客様のお好みの最適なコーヒー濃度になるように、コーヒー粉の挽き具合は完全オーダーメイドとなっています。
挽き具合調整のご要望は、ご注文時の【備考欄】に「もう少し細かく」や「粗挽きで」などの表現でご記入ください。
ただし、1度だけのご注文ではピッタリの挽き具合にならない場合もあり、コーヒーがお好みの味では無くなってしまうこともあります。
特にコーヒー粉の挽き目が細かすぎる場合は、雑味の原因となりやすく注意が必要。どんな抽出器具でも2~3度調整すれば、お客様にぴったりの挽き具合になります。お気軽にご相談ください。
Q・「氷の上に直接アイスコーヒーを注いではダメなの?」
A・ダメなわけでは有りません。
熱いアイスコーヒーを氷の上に直接落とせば、氷でコーヒー液が薄まるだけです。毎回正確に氷の分量を計れば薄まることを防げるでしょう。
しかし、水っぽくなることは確かです。だから珈琲工房サントスでは、この方法を採用していません。
氷の上に直接注ぐ方法のメリットとしては、アイスコーヒーの作り置きもなく、急な来客のときだけだと思います。
またアイスコーヒーが氷で薄まるのを防ぐために、いつもより以上に細かく挽き、濃くドリップをすると雑味も多くなります。このことも、採用をしない理由の1つです。
Q・「アイスコーヒー豆は、普通のホットで飲む豆と違うのでしょうか?深煎りではない豆を冷やしても美味しくないですか?」
A・普通に美味しいです。
冷たく冷やして飲むことから、アイスコーヒーと名前が付いているだけです。普通のホットで飲む豆も冷やせば、アイスコーヒーになります。
後は好みの問題だけです。いつも飲んでいるコーヒーでアイスコーヒーを作ってみて、あなた様の好みに合えばOKです。
普通のホットで飲む豆作ったアイスコーヒーを飲むときには、氷を入れないほうが良いでしょう。コーヒーが薄まるのが早いです。
Q・「アイスコーヒーの豆ってどこの豆が最適なんでしょうか?キリマンジャロは酸味が強くなり無理でした。」
A・キリマンジャロの酸味が好きな方もいるので、あなた様の好みの問題です。
基本的にアイスコーヒーは、どのような種類のコーヒー豆を使っても作ることができます。ただし、あなた様の好みを外すことが多くなるでしょう。
一番確実なのは、❝アイスコーヒーにして飲んでも大丈夫❞ というコーヒー豆を選べば良いでしょう。
選ぶポイントとしては。
- すっきりアイスコーヒーは ⇒ アラビカ種100%のもの。
- 苦味系アイスコーヒーは ⇒ インドネシア ジャバ ロブスタをブレンドしているもの。
苦味度合いは、インドネシア ジャバ ロブスタのブレンド割合で決まってきます。これも店舗スタツフさんにリクエストをしてみましょう。きっと教えてくるはずです。
関連記事・苦味系、すっきり系のブレンドコーヒーの作り方の記事。
● ブレンドコーヒーの作り方【配合比とレシピ】
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Q・「アイスコーヒーを水筒に入れて職場で飲んでいます。そこでお伺いしたいのですが、「前日から」水筒に入れては衛生面などで問題があるのでしょうか?」
A・水筒を良く洗って、使えば大丈夫だと思います。ただし、あなた様の体調にもよりますから、私としては無責任にも「大丈夫です」とは、言えません。
確実な方法としては水筒を、沸騰をしたお湯で煮沸消毒をするのがベストでしょう。
Q・「アイスコーヒーを温めて飲んだらどのくらい不味いですか?」
深煎りに焙煎された豆をアイスコーヒーとして淹れた(冷やした、或いは水出しした)後、電子レンジなどで温めて飲んだ場合です。
香りや味など、どのくらい悪くなるのでしょうか?それとも案外いけるのでしょうか。」
A・ざっくりと解答をするならば、「案外いけますよ。」ただし、条件があります。
新鮮な酸化されていないコーヒー豆で作られているもの、そして温めるときには、沸騰をさせないことです。温め鍋などの縁に、わずかに蒸気が上がりだしたら火を止ましょう。
牛乳の温めと同じですね。あとは、あなた様の好みの問題だけです。
アイスコーヒーの作り方のまとめ。
ここまでお読みくださいまして、ありがとうございます。この記事はコーヒーメーカー用途に書いていますが、ハンドドリップでも抽出方法が違うだけで、抽出した後は全て同じです。ぜひ試してみてください。
最後に、1度アイスコーヒーを作ってみただけでは、あなた様お好みの味には成らないかもわかりません。
試行錯誤の期間はありますが、3回ほどアイスコーヒーを作ってみるうちに、あなた様独自のコツがつかめてくるはずです。
どうかアイスコーヒー作りをいろいろと試してみて、暑い時期を乗り切ってください。最近の魔法瓶水筒は優秀ですから、アイスコーヒーを1リットル作って、会社に持っていくのも良いですよ。
どうぞ香り高い本格派のアイスコーヒーを、お楽しみください。
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