2023.08.24 更新
コーヒー粉の蒸らしやお湯の温度、お湯を注ぐ量と速さなど、カリタドリッパー101や102で試されたはずです。カリタドリッパー101や102の学び方としては、雑誌や書籍、YouTubeなどさまざまだと思われます。けれども「好きなコーヒーの味にならない。」と半分あきらめていませんか?
それもそのはず、想像するコーヒーの美味しさにならないのは、YouTubeや雑誌の良いところだけを切り取って練習しているからなのです。
切り取り練習には一貫性がありません。練習量も足りないとなれば、あなたの好きな味になるか?は難しいです。
なぜ店主に、この良いとこどり練習や練習不足がわかるのでしょうか?
店主は、1999年にコーヒー専門店を開業してから現在もカリタドリッパーの練習と研究を続けているからです。
過去には、あなたと同じ良いとこどり練習したために、コーヒーの淹れ方で挫折した経験は両手で数えても足りないくらい—。
店主は、1999年にコーヒー専門店を開業してから現在もカリタドリッパーの練習と研究を続けているからです。
過去には、あなたと同じ良いとこどり練習したために、コーヒーの淹れ方で挫折した経験は両手で数えても足りないくらい—。
そこで「もういいや。テキトーで。」といった体験をあなたにして欲しくないので、カリタドリッパー歴24年の店主が淹れ方を詳しく解説します。
カリタドリッパーに限って練習すれば、15日から30日くらいで上手になります。
ただし、個人差はありますよ。
本稿をお読みいただければ、どのようなイメージでお湯を注げば良いのかがわかります。
お湯を注ぐコツと温度も解説していますから、習得さえすれば、あなたは美味しいコーヒーが飲めます。
お湯を注ぐコツと温度も解説していますから、習得さえすれば、あなたは美味しいコーヒーが飲めます。
鮮度の良いコーヒー豆とは どんなものなのか覚えておけばOK!!
新鮮な豆で練習しなければ、本物の味がわからず「この味で正解なのか?」がわからないからです。
やる気が出るオススメの練習方法は、あなたの興味のあるコーヒー豆で淹れるといいですよ。
目次
カリタドリッパーで淹れる
注意点4つ
ここでは、カリタドリッパーの101や102で淹れるときの注意点4つを解説します。
できそうな注意点から実践していただければ、コーヒーが美味しくなりますよ。
- 鮮度の良いコーヒー豆を買う
- 懸濁液を落とし切らない
- ドリッパー底の穴を塞がない
- コーヒーベッドを壊さない
4つの注意点
鮮度の良いコーヒー豆を買う
美味しいコーヒーを飲むためには、細かい泡ができる鮮度の良いコーヒー豆を購入してください。なぜなら、4つの注意点を守ってコーヒーを淹れても、細かい泡ができなかったり粉も膨らまなかったりすれば、美味しいコーヒーは飲めないからです。
» 鮮度が悪い具体例を挙げます
スーパーマーケットなどで棚に陳列されて販売しいるコーヒー豆を想像してみてください。
このような豆は鮮度が悪く、お湯を注いでも細かい泡ができるどころか粉も膨らみません。
淹れたコーヒーを飲んでも、脂質の酸敗のために苦みと酸が強く、気持ちが悪くなったりします。
美味しいコーヒーを飲むためにも、鮮度の良いコーヒー豆を選んでくださいね。
スーパーマーケットなどで棚に陳列されて販売しいるコーヒー豆を想像してみてください。
このような豆は鮮度が悪く、お湯を注いでも細かい泡ができるどころか粉も膨らみません。
淹れたコーヒーを飲んでも、脂質の酸敗のために苦みと酸が強く、気持ちが悪くなったりします。
美味しいコーヒーを飲むためにも、鮮度の良いコーヒー豆を選んでくださいね。
『細かい泡ができる新鮮なコーヒー豆を買う』ことこそが注意点4つのうちもっとも大切な項目なのです。
» 新鮮なコーヒーの鮮度の見分け方【市販のコーヒー豆は膨らむのか?】
懸濁液を最後まで落とさない
懸濁液が『ポタポタ』と落ち始めるまで待ったり最後まで落とし切ったりしないでください。重たいコクや苦み、渋みなどの雑味がコーヒーサーバーに落ちるからです。
» ドリッパー内の流れの具体例を挙げます
お湯を注ぐのを止めれば、ドリッパー内の流れは、こうなります。
ドリッパーの底の流れは層流になり、微粉が底に沈みます。
沈んだ微粉は、紙フィルターの目詰まりを引き起こします。コーヒー液の透過速度も遅くなり、液体は出にくくなります。そのため液体は、別の通過しやすいところから出ます。
通過しやすいところとは、コーヒーベッドを乗り越えて迂回する流れだったり外へ通じる水路だったりします。
この水路と迂回こそ、あなたの嫌いな味が出る原因のひとつなのです。
お湯を注ぐのを止めれば、ドリッパー内の流れは、こうなります。
ドリッパーの底の流れは層流になり、微粉が底に沈みます。
沈んだ微粉は、紙フィルターの目詰まりを引き起こします。コーヒー液の透過速度も遅くなり、液体は出にくくなります。そのため液体は、別の通過しやすいところから出ます。
通過しやすいところとは、コーヒーベッドを乗り越えて迂回する流れだったり外へ通じる水路だったりします。
この水路と迂回こそ、あなたの嫌いな味が出る原因のひとつなのです。
ドリッパー底の穴を塞がない
ドリッパーの小さな穴の上には、紙フィルターがあります。お湯を注ぐまえは、紙フィルターと小さな穴は、密着していません。
コーヒー抽出の後半になれば、微粉が紙フィルターの底に沈下し、底に溜まり始めます。
微粉が紙フィルターの底に溜まれば、紙フィルターの真下にあるドリッパーの小さな穴を塞がちになります。穴を塞いでしまえば、コーヒー液の透過速度も遅くなり、液体は出にくくなります。
出にくくなった液体は、別の通過しやすいところから出ます。
通過しやすいところから出てしまうと、コーヒー液は濾過層の役目をするコーヒーベッドを通過せず、渋みなどが出ます。
お湯の注ぎ方を工夫すれば、微粉も溜まりにくくなり、ドリッパー底の穴も塞がないのです。
どのような注ぎ方がいいのかは『渋みが少ないコーヒーの淹れ方』の記事をお読みください。
コーヒーベッドを壊さない
濾過層の役目をするのが『コーヒーベッド』。コーヒーベッドは、紙フィルターよりも強力な濾過能力を持ち合わせていて、渋みなど過度な味を濾過します。このコーヒーベッドを壊したり削ったりすれば、懸濁液が溢れ出します。
溢れた懸濁液は、迂回する流れになり、コーヒーベッドを通過せずコーヒーサーバーへ落ちます。
くわえて、微粉はドリッパーがわへ運ばれ、紙フィルターが微粉で目詰まりを起こします。目詰まりを起こしたところからは、コーヒー液が出にくくなり、出やすいところから出てきます。
これが懸濁液の流れを不均一にし、局所的な過抽出につながるのです。
お湯を過度にグルグル回したり高すぎる位置からお湯を注いだりすれば、コーヒーベッドを壊しやすいです。
コーヒーベッドを壊さないためにも、お湯の注ぎ方の練習を積んでくださいね。
コーヒーベッドを壊さない
だけでも守る
だけでも守る
- お湯の注ぎ方が少しくらい失敗しても、コーヒーベッドさえ壊さなければ、嫌いな味にはならないはずです。
ひとつのお湯の注ぎ方にとらわれず、あれこれ工夫して練習をすれば、過度な苦みや渋みは出なくなるのです。
カリタドリッパーで淹れる準備
コーヒーを淹れる道具の準備
ここから、店主オススメのカリタドリッパーで淹れる方法を解説します。以下のような道具を準備してください。コーヒーミルや温度計などがなくても、コーヒーは淹れられます。
ただ「毎回 安定した味にしたい。」のでしたら『コーヒーミル・デジタル量り・デジタル温度計』は、必ず用意してくださいね。
»【ハンドドリップ用の器具10点をご紹介】必要な入門道具一式を珈琲専門家が伝える
コーヒーを淹れるまえに、コーヒー粉を挽いたりお湯を沸かしたりなど、さまざまな前準備をシッカリしましょう。
淹れる前にする3つの前準備
- 作りたいコーヒーの量を決める
- 基本のレシピを決める
- 何回にわけてお湯を注ぐのか決める
作りたいコーヒーの量を決める
120ccコーヒーカップもしくは、250ccマグカップで飲みたいのか決めます。飲みたいコーヒーの量が決まらなければ、基本のレシピは決まりません。最初に決めてくださいね。
基本のレシピを決める
基本のレシピは「中煎りを120ccコーヒーカップで飲む」としましょうか。- 120ccカップで飲むレシピ
- お湯 150cc
- コーヒー粉 10g
- コーヒー粉 粗挽き
- お湯の温度 91℃
- 粉と水(お湯)の比率は 1:15
» 粉が水を含む量を考える
コーヒー粉は、粉自身の2倍の水を吸い込みます。
コーヒー粉に含まれる水の量は
10g/粉 × 2 = 20cc/水
コーヒーができる量は
150cc – 20cc = 約120~130cc
コーヒー粉は、粉自身の2倍の水を吸い込みます。
コーヒー粉に含まれる水の量は
10g/粉 × 2 = 20cc/水
コーヒーができる量は
150cc – 20cc = 約120~130cc
お湯の温度は、91℃です。
手元の温度を+1℃高い91℃にしておけば、お湯が粉に触れた温度は1℃くらい低くなり90℃になるからです。
抽出中の懸濁液のなかは、お湯を注ぎ終わるまで85~88℃くらいを保てるので、店主は91℃のお湯を注いでいます。
ひとそれぞれ好みもあるので、お湯の温度は自由にしてもらえればいいですよ。
美味しいコーヒーをつくるためにも、この機会に『デジタル温度計』を使いましょう。お湯の温度がすぐにわかり調整も簡単になりますよ。
お湯の注ぎ方を決める
ここでは、合計150ccのお湯をコーヒー粉にどのように注いでいくのかハッキリ決めておきます。お湯の注ぎ方である『お湯の太さ』『何回に分けるのか』『蒸らしあり OR なし』などしっかり決めてくださいね。
お湯を注ぐ手順3つ
- お湯を20cc注ぐ
- お湯を130cc注ぐ
- 合計150cc注いだらドリッパーを外す
『お湯を注ぐ手順3つ』のように「お湯はこう注いでいく。」というものを決めておかないと、途中で注ぎ方がブレたり、思わぬ方向へお湯を掛けたりするものですよ。
手順を決めておけば「もう少し味を何とかしたいな。」と思ったときも、手順を見直して味の調整が簡単にできるようになります。
初心者でも失敗しない
カリタドリッパーで淹れる方法
ここでは、店主が実践するコーヒーの淹れ方を解説します。この手順の通りに進めれば、基本的なコーヒーが淹れられます。淹れ方に慣れてきたら、さらに美味しくするための『濃厚な味わいにする淹れ方3つ』をお試しください。
スムーズな動作にするためには、コーヒー粉を挽いたりお湯を沸かしたりなど、さまざまな前準備をシッカリしましょう。
店主が実践する淹れ方15の手順
お湯を沸かす 沸かすためだけの『やかん』を使い、お湯を沸騰させます。 コーヒーポットで沸かせば、お湯の温度調整に時間が掛かるからです。 コーヒーポットは、直火に掛ければ壊れるのも早く、オススメしません。 | |
コーヒー豆を量る デジタル計量器でコーヒー粉10gを量ってください。 計量カップで量れば、1gくらいブレたりするからです。 豆が1g増えるだけで味に影響します。デジタル計量器がオススメ! | |
コーヒー豆を挽く 10gのコーヒー粉を粗挽きに挽いてください。 味わいの出方は、挽き具合で決まります。しっかりあわせてください。 挽き具合のあわせ方がわからなければ、コーヒー豆の挽き方の記事をお読みください。 » 豆の挽き方と挽き具合を確かめる方法 | |
紙フィルターを折る まずは、指の腹で紙フィルターの継ぎ目の部分を折ってください。 つぎに、紙フィルターの外側から爪を立てるようにして継ぎ目の部分を折ります。 最後に、紙フィルターの内側に手を入れて指の腹で折り目を際立たせます。 テキトーに継ぎ目の部分を折れば、ドリッパーに密着しません。しっかりと折ってください。 | |
紙フィルターをセットする 紙フィルターをドリッパーにセットしてください。 テキトーにセットすると、紙フィルターがドリッパーから浮きます。(꒪ᗜ꒪ ‧̣̥̇)/ 紙フィルターの継ぎ目の部分に指の腹を押し当てしっかりドリッパーに圧着させます。 | |
紙フィルターを水で濡らす 紙フィルターに水を掛けて濡らしてください。ドリッパーに紙フィルターを密着させるためです。 注意点は、紙フィルターの継ぎ目の部分が浮いたりします。浮いたときは、指で押して空気を抜いてください。 『カリタドリッパーを使えば「これで密着しているの?」となったりします。 そもそもこのドリッパーは、空気が抜ける構造なので気にしないでください。 | |
コーヒー粉を挽きセットする 10gのコーヒー粉をドリッパーに移します。 濡らした紙フィルターにコーヒー粉が付きやすいです。 紙フィルターの中心に、そっとコーヒー粉を移してください。 | |
コーヒー粉を平らにする ドリッパーのもっとも細い根本のところを持ってください。 ドリッパーを横にゆすって粉の面を平らにします。 優しく揺ってくださいね。 | |
デジタル量りの目盛りをゼロ設定にする コーヒーサーバーとドリッパーをデジタル量りの上に置きます。 2つの道具が置けたら、デジタル量りの目盛りをゼロ設定にしてください。 これで、お湯を注ぐ準備ができました。ここから注ぐお湯の量は、デジタル量りの目盛りを頼りにして淹れていきます。 | |
お湯をコーヒーポットへ移す 沸かしたお湯をコーヒーポットヘ移してください。 デジタル温度計をコーヒーポットに入れ、お湯の温度を測ります。 お湯が91℃になれば準備OK!!
お湯を91℃にする方法 | |
1回目のお湯を注ぐ ここのSTEP11で味の8割が決まります。注ぎ方をしっかり覚えてくださいね。 注ぐお湯の細さは、3mmスパゲティーを想像してください。 注ぐお湯の量は、20ccです。 注ぐお湯の高さは、店主が使うコーヒーポットならば下から3㎝の高さ。高さは、使用するコーヒーポットにより違います。 しっかりイメージして注ぐ お湯の細さは、ただ「細くする。」と思うだけではなく、細い物を想像してください。想像すれば、身体が反応します。実際にお湯が細くならなくても身体は努力するものです。3mmスパゲティーや素麺は難しいかもです。細く出せるようになって欲しいので、5mmスパゲティーを目指してください。 身体がしっかり反応するためにも、3mmスパゲティーの細さをイメージして注ぐのはオススメです。 お湯の注ぎ方 お湯20ccは、コーヒー粉の全体に均一になるように、3㎝の高さからお湯を回し掛けます。この注ぎ方には、3つのメリットがあります。 1つめは、すべてのコーヒー粉にお湯を均等に掛けられる。 2つめは、お湯に触れていないコーヒー粉の塊ができるのを防ぐ。 3つめは、コーヒー粉に閉じ込められた炭酸ガスを放出させる。 デメリットは、たくさんのお湯を注げば、微粉で紙フィルターの眼が詰まります。お湯の量は、最大でコーヒー粉の3倍までにしてください。 乾いたコーヒー粉は、どのくらいお湯が染み渡りにくいのか想像しやすいように参考記事をご紹介します。 記事中の動画をご覧ください。 » お湯の染み込みにくさがわかる | |
蒸らしは無し このお湯の注ぎ方は、蒸らし目的ではありません。前述の通り『3つのメリット』のためにお湯を注いでいます。 蒸らしをしないのは、蒸らすための時間を取りたくないというのもあります。 ちなみに、店主は、基本的に蒸らしをしません。ただ、異なる趣の味を出したいときは、蒸らしをするときもあります。 蒸らしの時間を取れば、懸濁液に予想外の水路ができて偏ったお湯の流れになります。偏った流れは、局所的な過抽出になり渋みが出たりします。 蒸らしに時間が掛かるほど、さらに2つの悪いことが重なります。 1つめは、懸濁液の温度が下がる。2つめは、お湯の粘性が上がる。この2つが重なれば、コーヒー液の透過速度は下がり、重たい味のコーヒーになるのです。 コーヒー粉全体に染み渡らせるために、コーヒー粉10gの2倍の量である20ccを注いでいます。このお湯の量であるていどは粉全体に染み渡っています。 コーヒー粒度は大小さまざまな大きさなので、このStepだけでは、粉のなかまでは完全に染み込みません。 コーヒーを淹れる場所は、完全にフラットではなく、微妙に傾斜が付いています。 お湯は、流れやすい方向に流れるので、この手順だけで全体の粉のなかまで完全に染み渡らせるのは難しいのです。 | |
2回目のお湯130ccを注ぐ 1回目のお湯を注ぎ終わったら、すぐに2回目のお湯130ccを素麺のような細さで注いでください。 蒸らしをしないので、懸濁液のなかは88℃くらいの温度。コーヒー成分がよく出ますよ。 お湯を注ぐ位置は、粉の真ん中。 お湯の注ぎ方は、真っすぐ落とす。 お湯を注ぐ高さは、店主が使うポットならば懸濁液から3㎝の高さです。 お湯は、グルグル回さない。 コーヒーベッドの縁にお湯を掛けない。 注ぐお湯の高さを詳しく解説 高さは、お湯が懸濁液に当たり、飛び散るような音が聞こえる位置より少し低い位置のところです。つまり、流れ落ちるお湯が割れる直前の位置。この位置こそ、お湯の貫通力が強い高さです。 » プラトー・レイリー不安定性 | |
ドリッパーを外す ここまででお湯は 20cc + 130cc = 150cc 注ぎました。 蒸らしをせず、2回お湯を注いだわけです。 2回目のお湯 130ccは、落とし切りません。 デジタル量りの目盛りが150ccになれば、直ぐにドリッパーをサーバーから外してください。 懸濁液の透過速度が遅く、流れも不均一になり、重たい苦味と渋みがコーヒーカップに入るからです。 この方法は、局所的な過抽出の仕組みを使って、コーヒー液に重たいコクや苦味を入れます。 コーヒー液が落ちるのを観察して、落ち切る間際にドリッパーを外すのです。 ただし、コーヒー液に入るのは苦味だけではなく、すべてのコーヒー成分が入ります。 やり過ぎれば、重たい味になったり渋みが入ったりするコーヒーになりますよ。 | |
コーヒーの抽出が終り これでコーヒーの抽出は終りました。 さっそくコーヒーを試飲しましょう。 |
言葉の意味定義
» 迂回して落ちるとは、何ですか?コーヒーベッドを通過しない懸濁液やお湯が落ちる現象です。
通過しないつまり、迂回して落ちるのですから、濾過されないコーヒー成分がコーヒーカップに入るのです。迂回を英語で『バイパス』と言います。
» 懸濁液とは、何ですか?
懸濁液とは、コーヒー液体中に極小さい固体微粒子が分散したものです。具体的には、粘土や泥水などです。これらは放置すれば、長い時間かけて微粒子が沈降します。
» コーヒーベッドとは、何ですか?
お湯の流れにより、コーヒー粉でできた層のことを『コーヒーベッド』と言います。お湯を注ぐたびにコーヒー粉が攪拌されて、ドリッパーの底に溜まったり側面に付着したりします。
濃厚な味わいにする淹れ方3つ
コーヒーを試飲してみて濃さはどうでしたか?店主は、20cc + 130cc = 150cc の注ぎ方で淹れるコーヒーを基本としています。この基本をもとに注ぎ方を工夫して、美味しくしているのです。
注ぎ方の具体例を解説していますから、基本の淹れ方の味に物足りなさを感じたら『濃厚な味わいにする淹れ方3つ』をお試しください。
コーヒーは、あなたが美味しく飲めればいいわけなので、自由に淹れてください。
『+』をクリックすれば、開きます。以下の方法で、コーヒーの味作りにお役立てください。
濃厚にする3つの方法
- 注ぐお湯の量を分割する
- 高い位置からお湯を注ぐ
- 注ぐお湯の量を変える
» 注ぐお湯の量を分割する
1つめは、お湯の注ぐ量を分割するほどコーヒーは濃くなります。
» コーヒー抽出の前半に合計50cc注ぐとして、濃くする注ぎ方を2つ紹介。
1・20cc + 15 + 15 = 50cc
2・20cc + 10 + 10 + 10 = 50cc
注ぎ方1よりも2のほうが分割する数が多いので濃くなります。
さらに、濃厚具合を増したいのであれば、こう分割します。
20cc + 5 + 5 + 5 + 5 + 5 + 5 = 50cc
実践してみれば、濃くなるのがわかると思います。ただ、透過速度が遅くなり、予想外の水路ができて局所的な過抽出になったりします。
» 高い位置からお湯を注ぐ
2つめは、お湯を高い位置から注ぐ方法があります。
この方法は、コーヒーポットの注ぎ口を懸濁液よりも高く上げます。高さは、お湯が懸濁液に当たり、お湯の飛び散るような音が聞こえる位置より少し下げたところです。つまり、飛び散る音が聞こえなくなる位置になります。
この位置から注げば、コーヒーベッドの貫通力が強くなります。
» プラトー・レイリー不安定性
貫通力が強くなれば、懸濁液は乱流になります。流れは速く伴流も発生し、多くのコーヒー粉が引き込まれます。すべてのコーヒー粉がお湯に触れるようになり、コーヒーは濃厚になるのです。
お湯が割れず飛び散る音が聞こえなくなる位置は、使用するコーヒーポットにより違います。割れる位置は、目視ですぐにわかりますから、いちど確かめてください。
» 注ぐお湯の量を変える
3つめは、注ぐお湯の量を変えるのも有効です。
お湯の太さを5mmスパゲティーくらいにして注いでもらえば、お湯が多めに投入されます。さらに、お湯が太くなれば、注ぐ高さはもっと上げられるので、懸濁液も乱流になり、すべてのコーヒー粉に新鮮なお湯が届きます。
このように、注ぐお湯の量を変えただけでもコーヒーは濃くなるのです。
ここまで、3つの方法をご紹介しました。どの方法もやり過ぎはダメですよ。やり過ぎれば、紙フィルターに微粉が付着し、目詰まりを起こすからです。
淹れ方の練習に適した
中煎りコーヒー豆
ここでは、本稿で使用した『中煎りのコーヒー豆』を紹介します。-
-
飲みやすくてコクコクと飲める中煎り。漂うような甘い香りを楽しめます。
このカテゴリーの珈琲豆は、それぞれ味わいが違います。ぜひ、お試しください。
» 商品ページへ
Amazonや楽天市場でも買えるの?
珈琲工房サントスのコーヒー豆は、Amazonや楽天市場では販売していません。ただ、姿かたちが似た中煎りコーヒー豆ならば、Amazonなどにもありました。
いちど他の店舗の中煎りコーヒー豆と価格や送料なども含めて比べてください。
ほかのお店と比較する項目は、2つ。
- 100gから購入OKが書かれているか
- 使われている生豆が書かれているか
100gから購入OKが書かれているか
100gから購入できれば、飲み切れる量のコーヒーが購入できます。大容量パックを買えば、使い切るのに時間が掛かって脂質も酸敗するでしょう。
100gから購入OKと書いてあるものを選んでみてください。
» コーヒー豆・粉を一度に買う量は?
使われている生豆が書かれているか
どんな材料でコーヒー豆を作っているのかがわかれば、安心して買えますよね。Amazonや楽天市場で材料を公開しないお店を頻繁に見かけます。どんな材料で作られているのかは、消費者として知りたいものです。
安心してコーヒーを飲むためにも、使われている材料を公開しているお店から購入するのをオススメします。
まとめ
カリタドリッパーを使い『正しい”コーヒーの淹れ方はこれだ!!!』と言ったものはありません。これだというものがあるとすれば、あなたがカリタドリッパーで淹れたコーヒーがあなたの基準で美味しいかどうかです。美味しければ、どんな淹れ方をしても良いです。
粉の挽き方やお湯の温度、水の量やお湯の注ぎ方など、コーヒーが美味しくなるのであれば、自由に淹れてください。
自由と言っても『淹れ方の注意点4つ』がありましたね。
- 鮮度の良いコーヒー豆を買う
- 懸濁液を落とし切らない
- ドリッパー底の穴を塞がない
- コーヒーベッドを壊さない
淹れ方の注意点4つ
この4つの注意点さえ守っていただければ、少しくらいお湯の注ぎ方を失敗しても、そんなに強い渋みのコーヒーにはならないと店主は思います。
半月から1ヶ月 練習する
コーヒーが大好きであれば、ハンドドリップは、半月から1ヶ月も練習すれば上達するでしょう。練習は、コーヒーを每日1杯 淹れるだけです。
日々の継続と訓練の積み重ねこそ、上手になるコツなのです。
ただし、個人差はありますよ。
諦めたら上手になりません。
一番のコツは、諦めないコトでしょうか。
コーヒーの淹れ方は、半月から1ヶ月ほど練習を重ねていけば、どなたでも簡単に香り高いコーヒーが淹れられるようになります。
ぜひ、本稿を活用し、カリタドリッパーを使ってコーヒーを淹れてください。
覚えた知識を使って、あなたの興味のあるコーヒー豆で練習してみてくださいね。
コーヒー豆・お悩みの種類別
解決情報
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